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help リーダーに追加 RSS On Boxing@PC #002

<<   作成日時 : 2007/08/03 19:20   >>

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レイ オオヒナタの《On Boxing@PC》
――モニタの片隅からセカイを覗く――

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#002 キューバ勢ウオッチ【前フリ…の前編】


シーン変ぼう

 ここ2〜3年、階級を問わず、若手アメリカ人ボクサーの質的な低下が盛んに言われるようになっている。

 新世紀最初の10年も後半に突入しようかというのに、ボクシング・シーンの中心にいるのは相変わらず1990年代からお馴染みの面子ばかりで、次を担うホープがもう一つどころか、二つ三つもパッとしないと言うのがその主な原因だ。

 なかでも、とりわけヘビー級にそれが顕著だといえる。

 以前から緩やかに続いてきた競技人口の減少から来る人材不足と、東欧の旧共産圏や中南米のシーンが活気づいてきたことによって相対的にかれらが目立たなくなってきているのが主な原因だろうが、マイク・タイソン、レノックス・ルイス、クリチコ兄等…シーンを牽引してきたトップどころの引退も続いて、とにかく、まったく元気のない状況が続いている。

 引退はしていないが、イベンダー・ホリフィールドも完全に光を消してしまったし。というか、タイソンやルイスもそうだったが、そもそも40歳前後のボクサーに過剰に何かを期待するのが間違っているし、せざるを得ない状況というのも・・・。

 2005年あたりまでは、一応、クリス・バード、ジョン・ルイス、レイモン・ブリュースター、ハシム・ラクマンなどで4団体の王座を占拠していたが(しかしなんて地味な面子だ)、ルイスがニコライ・ワルーエフに微妙な判定を持って行かれたことを皮切りに、一気に転落がはじまった。

 クリチコ弟や、アンドリュー・ゴロタをKOして期待されていたブリュースターは伏兵セルゲイ・リヤコビッチに寄り切られるし、バードは復調してきたクリチコ弟にあっさりとぶちのめされ、最後に残されたラクマンも、万年第二グループと目されていた、工場労働者にしか見えない風体のオレグ・マスカエフに、まさかのストップ負けをくらうザマだ。

 あれよあれよという間に、アメリカ勢はベルトをすべて旧共産圏・東欧のボクサーにかっさらわれてしまった。

 いったんはシャノン・ブリッグスが(彼だってもう過去の人なんだけど)、泥試合の末にリヤコビッチから劇的KOでWBOを奪って、あまりに遅い初戴冠を果たしたものの、やはりお年を召したブリッグスにそれ以上を望むのは無理だった。

 つい先月、シドニー五輪銀メダルのアマエリートであるスルタン・イブラギモフに完敗して、一度も防衛できないまま、再びベルトは旧ソ系国家の独占状態に。

 次々に転落した一連のトップ所はみな30代なのに加え、国内で目立った若手もほとんど伸びてきていない。

 王座に挑戦したり、その候補に上げられるのも峠を過ぎた二線級のボクサーばかりだという事実がそれを物語っている(マクラインやバレットの名前がいつまでも出ている様では・・・)。

 残念ながら、この手詰まり状況は当分の間、打開されそうもない。

 合衆国の低調は今後もますます加速し、続いていくだろう。

 逆に、アマの強豪がドイツやアメリカに次々と流れ込んでいる、旧共産圏国家勢の勢いは衰える気配がない。

 五輪への取り組みを国家的に行ってきた地域からの転向者が増えれば、当然ながらかれらの存在感は増す。

 ハングリーな拳闘家や強力なホープは、もはや合衆国ではなく、思想実験の失敗した焦土から続々と出現してくる時代になった。


そしてキューバ

 さて、ここで(ようやく?)本題に入ろう。

 上述したような、最近の業界状況をふまえて世界を俯瞰した場合、今後、東欧以外で、プロへの質の高い選手供給先としてもっとも期待される国はどこか? ということだ。

 共産圏であり、アマチュアスポーツの国家的強化を長年にわたって行っているところ……と言えば、考えるまでもないかもしれない。

 そう、アマチュアボクシングの盟主である共産主義国家とくれば、それはキューバ共和国をおいて他にはない。

 キューバこそが、今後、プロを活性化させるうえでもっとも期待が持てる場所であり、世界に残された数少ない未開拓地なのである。

 カリブ海に浮かぶ赤い島、共産主義の最果ての砦であるこの小さい島国が、現在世界最強のアマボク王国であることに異論を挟む人はいないはずだ。

 対抗馬であるロシアも充分にその条件が当てはまるが、やはり過去の実績、選手の個性・存在感など、どれをとってもキューバが一枚上手だといえる。

 ざっと過去の五輪や世界選手権の記録を見ても、本格的にその強さを発揮し始めた1972年のミュンヘン・オリンピックあたりからはもはや神話的と形容し得る戦績であり、ティオフィロ・ステベンソン フェリックス・サボンマリオ・キンデランギジェルモ・リゴンドウなど数々のアマのスーパースターを生んでもいる。

 ロシアは、戦績もそうだが、彼らに比肩しうるような超人的ボクサーを輩出していない。

 キューバは革命後、旧ソ連の指導下でアマチュアのメソッドを確立したが、そのポテンシャルは指導者を越えていたわけだ。

……つづく


▽バックナンバー
#001 はじめに


■レイ オオヒナタ
19○○年生まれ、東京都出身。八王子に屹立する某美大に、不真面目に通う院生。WEB2.0環境の恩恵を受けて以来、本格的に海外ボクシングを見始める。ジョイス・キャロル・オーツの『On Boxing』やブコウスキーに触発され、ボクシングと芸術の関わりについて日々考察中。約2分ほどプロボクサーを志した過去もあり…。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
3選手とさらにリコンドー、ララの2人までプロに転向するらしいですよ。
拳霊
2007/08/04 11:59
ゴリラとキンデランがボクシングをしたらどっちが強いのでしょうか?
カイジ
2007/08/04 12:10
>拳霊 さん

リゴンドウとララの件は、少しタイミングが遅れてしまいましたが、まとめ記事を近々載せるつもりです。
残念な結果になってしまいましたが。


レイ・オオヒナタ
2007/08/20 03:25
ボクシングならキンデランですね。
>カイジ さん
2007/08/20 03:26

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