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help リーダーに追加 RSS On Boxing@PC #011

<<   作成日時 : 2007/10/08 23:20   >>

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レイ オオヒナタの《On Boxing@PC》
――モニタの片隅からセカイを覗く――

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#011 7.14 ニュータウン(アメリカ)興行より



ジロフは、いま……


◆Jul.14 2007@4 Bears Casino and Lodge, New Town, North Dakota, United States

WBOインターコンチネンタル クルーザー級タイトルマッチ12回戦
ヴァシリー・ジロフ(90.72キロ)/36-3-1, 30KO
 ――TKO 4R Time: 1:45――
× ケニー・クレイべン(89.81キロ)/28-18-0, 13KO



 またもクルーザー級の試合です。

 今や、ものすごく「あの人は今!」感が漂ってしまうかつての強打王者、“タイガー”ジロフのクルーザー復帰2戦目。

 ジロフと言えば、WBCのゴメス、WBOのネルソンと並んで一時期クルーザー級を活気づかせた名選手だが、IBFタイトル7回目の防衛戦で、当時すっかりロートルピザおじさん化していた(と思われていた)、ミドル上がりのジェームス・トニーに番狂わせの完敗を喫してタイトルを失ってから、どうも冴えない。

 減量もあってかクルーザー級に見切りをつけ、ゴメスのようにヘビー級にクラスチェンジしたはいいが、トップ戦線へのテストマッチとして組んだメシとの試合で激闘の末に競り負けると(周知のように、メシはこの試合のダメージで深刻なダメージを負ったわけだが)、次戦でも引退寸前に近かったマイケル・モーラーに番狂わせのTKO負けを食らい、ヘビー級進出計画はのっけから大きく挫折した。

 結局、その後も3試合ほどヘビー級にとどまったが、やはりジロフのような力任せの荒っぽいスタイルは階級を上げて体格差が出てくると厳しいものがある。2005年の7月にオーリン・ノリスと8回戦で引き分けたのを最後に、クルーザー級に出戻った。

 クルーザーで対立王者だった時代にゴメスと統一戦をやっても到底勝てなかったと思うが、その差はヘビー級への挑戦というミッションにも現れているみたいだね。

 ゴメスも階級差と無縁ではないが、ボクシングの幅、クオリティやキャパがジロフとは段違いであるから、ここ最近、2度目の挑戦者決定戦までこぎ着けた。

【Vassiliy Jirov vs Kenny Craven】
 ▼



 このクレイベン戦は昨年4月の復帰試合以来だから、実に丸1年以上も空いた勘定だ。

 口さがない、っていうか飽きっぽくて短期なフリークのあいだではもう、ジロフは完全に「終わったボクサー」という扱いを受けている。

 本人としては試合でそういう薄情なファンを黙らせたい所だろうが、じゃあこのクレイベン戦はどうだったかって言うと……、うーん…………とりあえず噛ませを力任せにKOしたのはいいが、正直な所、これではタイトル返り咲きは厳しすぎる…ってか、ムリムリです。

 体重を上げ下げした後遺症なのか単にもう壊れてしまっているのかは判然としないが、上体と下半身の連動がなんだかぎこちないし、重い。

 フォームもガタガタで力みすぎて、スムースにパンチが打てていない。のっけからビビりまくりの相手でなかったら、試合はダラダラと判定までいったかもしれない。

 全盛時代もかなり荒かったが、もっともっと体全体の動きにキレがあって力強く、四の五の言わさずブッ倒すという自然な迫力があった。だからこそ「タイガー」だったんだけど…。

 試合後のインタビューでジロフは、「もっかいチャンプになるぜ」と答えていたけど、もう、あまり打たれないうちに引退した方が良いのではないかと思う。

 あれだけ打ち合った相手のメシは既に壊れているわけだから(現役は続けてるけど)、ジロフも危険が無いとは言いきれない。

 未練はあると思うが、止め時を間違えないで欲しいな。


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■レイ オオヒナタ
19○○年生まれ、東京都出身。八王子に屹立する某美大に、不真面目に通う院生。WEB2.0環境の恩恵を受けて以来、本格的に海外ボクシングを見始める。ジョイス・キャロル・オーツの『On Boxing』やブコウスキーに触発され、ボクシングと芸術の関わりについて日々考察中。約2分ほどプロボクサーを志した過去もあり…。


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