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――モニタの片隅からセカイを覗く―― ※バナー作成中 さて皆さんお久しぶりです。 レイ・オオヒナタ改め、「おおひなた れい」です。 いや、特に改名に根拠はないですけど、「日本人のクセに姓名逆にすんなコラ!」とか知人に怒られまして・・・、ええ(笑)。 改名したら、まるで漫画家「おおひなた ごう」のパクりみたいになっちゃいましたね。 ま、それはいいんですけど、10月〜11月にかけても欧州でプロデビューした、キューバ人たちの試合がいくつか行われています。 この連載、すっかりキューバンウォッチングと化してますが、書きためてる試合は他にもあるので、そのうち開陳されるのではないかと思われます(他人事風)。 【ゴメス、マッコールとの再戦を制して、WBC王座挑戦権を獲得】 ◆Oct.19 2007@Estrel Convention Center, Neukoelln, Berlin, Germany プロモーター:アリーナ・ボックス・プロモーション テレビ放送:PREMIERE, FOX ライト級6回戦 ○ ユリオルキス・ガンボア(59.90キロ)/5-0-0, 4KO ――TKO 2R Time:2:11―― × サミュエル・カベデ(59.90キロ)/25-1-0, 14KO ヘビー級8回戦 ○ オドラニエル・ソリス(113.9キロ)/4-0-0, 3KO ――TKO 2R Time:0:18―― × ジェレミー・ベイツ (104キロ)21-14-1, 18KO WBC世界ヘビー級挑戦者決定戦 12回戦 ○ フアン・カルロス・ゴメス(103.4キロ)/4-0-0, 3KO ――判定 3-0(116-112,118-110,118-110)―― × オリバー・マッコール(106.60キロ)/21-14-1, 18KO ▲Yuriorkis Gamboa vs. Samuel Kebede ゴメスのアンダーでは、ガンボアとソリスが難無くTKO勝利。 前戦(この連載の前回分にも書いたが)から約1カ月と、安パイを粉砕していくキャリア初期としてはちょうどよい間の空き方だったが、相変わらず二人とも順調そのものといってよい。 前回1RでKOして周囲を沸かせたガンボアだが、この試合もまたも特筆すべき内容だった。 彼は次回触れる10月30日のフロリダ興行にも出陣しており、今年はこれまで7戦と、かなりのハイペース。 プロモーターのオネルが「来年には世界戦だ」と意気込む姿勢を反映している。 この興行はライト級の体重で試合をしたが、選ばれた相手は、あら懐かしい、という感じのサミュエル・カベデ。以前、フェザー級時代に無敗でハリソンのもつWBO王座に挑んだが、あっさり1Rで秒殺KO負けしていたアフリカ人ボクサー。 2階級上げて3年ぶりの復帰2戦目であるこのベテランを、ガンボアはほとんど子供扱いして何もさせず、一方的にTKOした。 初回、様子見もせずいきなりショートのワンツーを打ちながら踏み込み、慌てた相手が不用意に放った左に素速い右クロスをあわせてダウンを獲ると、その後は下がりっぱなしのカベデを悠々と追い回す展開。 ラウンド終わり間際には軽い左アッパーからの右打ち下ろしでもう一度ダウンさせ、2Rはボディへのフック、ワンツー、アッパーを交えたワンツースリー、単発の左右アッパーなどを弄ぶように打ちこんでは離れを繰り返す攻め。もはや殆ど勝負になっていない。 最後は接近戦からジェームス・トニーばりの、ショートの右アッパーをガードの隙間からコツンとあてると、カベデがふらふらと3度目のダウン。そこでTKOが宣告される。 スピード、パワー、テクニック、全てにおいて比較にならない位ガンボアが上だった。カベデはもう力が落ちているし、もともとはフェザーの選手だから、期待されているホープとしてアピールするならあっさり勝つのが必須とはいえ、6戦目で世界戦経験者にこれだけのパフォーマンスを見せつけられるのは素晴らしいこと。 同じライト級の新鋭、WOWOWでも紹介されたアミール・カーンと比較しても、ぼくはトータルとしてガンボアの方が数段上だと確信する。 パンチの回転は速いわ、出入りの足は速いわ、好戦的で気迫も凄いとくれば、これはちょっと、期待するなという方がおかしいだろう。 フライ級上がりなだけあって、さすがにライト級ではパンチが軽いけれど(カベデも2度目のダウンまでは大して効いてなかった)、低いガードから俊敏にインサイドに切り込み、打ちこんでは離れを繰り返すこの好戦的なスタイルは実に魅力的だ。 チャンスと見たときのプレス、仕掛けの速さも小気味よい。ライトからS・フェザー、フェザー近辺はとても層が厚いが、ぜひフロイド・メイウェザーのようにセンセーショナルにタイトルを獲って欲しいなぁ。 ▲Odlanier Solis vs Jeremy Bates 一方、ガンボアが派手な試合で急激に力をアピールしていることからデビュー当初より相対的に影が薄くなっているソリスだが、本人の試合内容自体が悪いわけではなく、新鋭のヘビーウェイトとして着実にKOを増やしている。 今回は、ボクが以前から提案しているように(笑、やっと少しウェートを絞り始めたせいもあってか?(前回115キロ→今回は113,9キロで過去最軽量)、以前より動きの躍動感、全体的なスピードが増していたし、スタイルもベタ足から強引にインサイドに切り込んでコンビを打つのではなく、アマヘビーの頃のような、低い姿勢から小刻みなステップを使ってヒット&アウェイ繰り返すスタイルに回帰していた。 やはり自然な動きということでは長年慣れ親しんだやり方が良いのかも知れない。相手のベイツは5連敗中の負け役ボクサーで、ゴロタ、ホリフィールドの復帰戦の相手だったことが記憶に新しい(ルックスが笑っちゃうくらいテキサス風の酔っぱらい白人)。 こういう試合はどう倒すか、どういう動きを試すかがテーマになるわけだが、183センチで113キロあるにも関わらず外側から長いジャブ、ストレート、ワンツーを間をおかず突き刺し、素速く出入りできる柔らかいムーブはとても可能性を感じさせる。 打ち込むときは長いストレートをボディ、顔面へと使い分けられるし、大小のアッパーを混ぜるのも巧い。 同じくアテネ金のポベトキンのようなせっかちなインファイトより、ぼくはソリスの柔軟かつ鋭いボクシングの方が好みだ(ポベトキンはポベトキンで、あのクラシックなヘビー級みたいな戦法が面白いけど)。 今後の課題としては、ネット上でしきりと指摘されるスタミナ不安の疑いを晴らすことだろうか。 確かにそのセンは未だ未知数だ。もともと183センチ、90キロのアマヘビーが大増量して試合をしているような状態なわけで、スタミナ不安と無縁なはずがない。 113キロ台まで絞ってきた今回が一番動きが良かったように、今後ターゲットのレベルを上げるていく課程で110キロまでは落とすべき。 10回戦、12回戦となるとまともに動くこともできなくなるヘビーは多いし、そういうレベルではないにせよ、短期決戦のアマで一時代を築きつつあったソリスも充分な調整が必要だ。 次戦はまだ未定だが、おそらく年内に1試合あるか、年明け早々には試合が組まれる模様。一度、タフで根性があって前に出てくる相手と6〜8回戦をやらせてみて、来年の方向性を決めるといいんじゃないかな。 ▲Juan Carlos Gomez vs Oliver McCall.U1-2R ※1〜2Rのみ。全ラウンドYouTubeにあがっているので検索すればわかります。 そしてこの日のメイン・イベントだったゴメスvsマッコールのヘビー級挑戦者決定戦。 ちょうど2年前も、二人は同じベルリンでWBCヘビー級挑戦者決定戦10回戦を行っていて、 ゴメスがマッコールを巧くアウトボックス。明確な判定で下している。 当時、ゴメスは無敵を誇ったWBCクルーザー級のタイトル返上→ヘビー転向後から4年弱が経過していたが、アメリカ進出の難航や、かませ相手に痛い星の取りこぼしを喫した事から中々チャンスが回ってこない状況にあった。 そんな中、マッコールとの試合はようやくセッティングされた挑戦者決定戦だったわけだが、 なんと試合後、ゴメスはドーピングだったかコカインだか、ともかくドラッグテストに陽性反応が出てしまい、試合はノーコンテストに。 せっかく得た(WBCのことだから怪しいものだが。スライマンのご都合主義)挑戦権もパー。 それをきっかけにか、ゴメスは長年所属したUniversum Box Promotionと契約を解消(というか、切られた、のが正しいか?)。 1年後、新興のアリーナ・ボックスと契約を結んでキャリアを再開させた。 12月、2月と安パイをKOすると、6月のトルコ興行では中堅どころのデニス・バクトフを難なくフルマークで退けてから、この試合を迎えている。 一方のマッコールはかつてルイスを一発KOした時代はいったいいつのことだ? というぐらいの長いキャリア、いやはや驚いたことにもう齢42歳! ホリフィールドに迫るおじさんぶり。かませ専門のボクサーで40代というのは偶に見かけるが、上位ランカーでこの年というのは凄い。 97年のルイスとの再戦で、あの世紀の珍プレー「リング上で大泣き、試合放棄」をやらかしてTKO負けして以来、2005年まで、アキワンデをKOしたりダバリル・ウィリアムソンに判定負けしたりするなど、時折ちょっと目立つマッチメークがあったものの、基本的には年2、3試合を安パイとやっているだけで、それほど活発な動きはなかった。 2002年は1試合もしていないぐらいで、セミリタイア状態と言われても仕方なかっただろう(ちなみにアキワンデもいま42歳でまだ現役、ウィリアムソンも39歳で現役。一体どうなってるんだか・・)。 それが2005年にはゴメスとの挑戦者決定戦も含めて5試合、2006年も4試合をこなすなど、突如として復活。今年もこれが3試合目だ。 この異様なバイタリティ、衰えない筋肉はやっぱステロイダーなのだとしか思えないが、まぁ、それはともかく、マッコールは今回のゴメスとの試合以前にも、(ゴメスも出た)6月のトルコ興行のメインでシナン・サミル・サンと「WBCヘビー級挑戦者決定戦」を争い、完勝している。 にも関わらず、また「挑戦者決定戦」をやらなければいけない状況なのである。WBCが本当に認定しているのかはプロモーターの弁だけではよく分からないところもあるが、WBCはこの手の「挑戦者決定戦」を気安く乱発する傾向があるから、たぶん、そうなのだろう。 ※この試合も「挑戦者決定戦」であることには間違いがなかったが、ホセ・スライマン会長は、11月のマニラ総会で、「ゴメスはいまランキング1位のウラディミール・ビルチスともう一度挑戦者決定戦をやる必要がある」と明言した。 周辺事情はこの辺りにしておくとして試合内容はどうだったかといえば、YouTubeにも流れた映像を御覧いただけばわかるとおり、大方の予想通りゴメスがマッコールを封じ、完勝している。 2年前と違い、マッコールがカウンター狙いで手数の少ない守勢に終始していたことで、今回は逆にゴメスが追い回す展開が続いた。 スタミナが落ちてきたところに数発カウンターを喰って効かされてしまった10Rをのぞけば、距離とテクニックで勝るゴメスがほぼ全てのラウンドで優位をキープしていた。決定的な有効打は無かったが、明白な勝利。 最小限のサークリングと前に突きだした長い右リードを巧みに使って距離をキープし、要所で左も打ち込みながらプレスをかける。前の対戦ほどマッコールが強打を打ち込めなくなっていた分、やりやすかったのではないか。 ぼくはもっとマッコールがジャブを突いて強引に前進してくるかと思っていたが、ずいぶんと下がりっぱなしだった事に驚いた。 スタミナ不安なのか、5Rくらいまではあまり手も出さなかったし、唯一ダウン近くまで追い込んだ10Rも、ゴメスのガス欠という所が大きい。 42歳ではさすがにこれが限界ということかな。勝った方のゴメスはゴメスで、やはりもう34歳。年齢による衰えに加えて、ヘビーでは無敵だったクルーザー時代のスピード、パワー、キレ、圧力を発揮することは望むべくもない。相変わらず巧さは一級品だけれど、後半のスタミナ不足も深刻だ。 そんな2人が行う「挑戦者決定戦」は、ヘビー級のマスターズリーグ化を端的に表している…と思えた(イブラギモフvsホリフィールドもそうかな)。 とはいえ、この2人に確実に勝てそうな若手、というのも見当たらず、ぼくはゴメスファンなのでこの試合はエキサイトしていたが。 マッコールを下したゴメスは、先ほども書いたように来年春までにはヴラディミール・ビルチスと最後の挑戦者決定戦を行い、勝てば来年度中にWBCヘビー級タイトルへ挑戦できる目算だ。 正直、マッコールをすっきりと倒せないようではビタリかピーターか、あるいはマスカエフが来ても勝利の可能性は高くないが、とはいえ、キューバ人初のプロ世界王者誕生へ、ぼくは諦めずに応援してゆこうと思う。 ▽バックナンバー #011 7.14 ニュータウン(アメリカ)興行より #010 9.15 ロストック(ドイツ),6.16 ブタペスト(ハンガリー)興行より #009 9.21 リューベック(ドイツ)興行より #008 8.18 ベルリン興行より【後編】 #007 8.18 ベルリン興行より【前編】 #006 キューバ勢ウオッチ【亡命事件の顛末】 #005 キューバ勢ウオッチ【ビデオ観戦…の後編】 #004 キューバ勢ウオッチ【ビデオ観戦…の前編】 #003 キューバ勢ウオッチ【前フリ…の後編】 #002 キューバ勢ウオッチ【前フリ…の前編】 #001 はじめに ■おおひなた れい 19○○年生まれ、東京都出身。八王子に屹立する某美大に、不真面目に通う院生。WEB2.0環境の恩恵を受けて以来、本格的に海外ボクシングを見始める。ジョイス・キャロル・オーツの『On Boxing』やブコウスキーに触発され、ボクシングと芸術の関わりについて日々考察中。約2分ほどプロボクサーを志した過去もあり…。 |
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◆情報商材最終レビュー兵器◆フィックス上... 2007/11/29 11:51 |
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