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help リーダーに追加 RSS ウィラポン、ついに・・・【On Boxing@PC #033】

<<   作成日時 : 2008/07/15 23:10   >>

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おおひなた れいの《On Boxing@PC》
――モニタの片隅からセカイを覗く――

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#033 6/12 ノンタブリ・Bangkluay(タイ)興行より 


 おおひなたです、こんばんは。今回は、ああウィラポン・・・・・です。

ウィラポン、ついに・・・

◆Jun. 12 2008@ノンタブリ・Bangkluay(タイ)
会場:Bodindecha School
プロモーター:?
テレビ放映:Thai 3


WBCバンタム級挑戦者決定戦
○ ブシ・マリンガ(?キロ)/17-2-1, 10KO
 ――TKO 4R(time: 0:36)――
× ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(?キロ)/61-3-2, 43KO

 




 衝撃的な試合だった。

 なにがって、ウィラポンの見るも無残な衰え方が、である。

 われらが日本のエース、長谷川穂積と1戦目をやったころからすでに全盛期のスピード、キレはなかったけれど、まだまだ相手次第では王座を狙えるだけの力はキープしていたものだ。

 長谷川にリマッチでKO負けしてから2年と少し。9連勝でこぎつけた挑戦者決定戦であるこのブシ・マリンガとの試合は、あのときから比べても目を覆わんばかりのひどさだった。

 初回からも左右のアッパーとストレートを振り回して突っ込んでくるマリンガの圧力に押されっぱなし。ずるずると後退して防戦一方だった。体が重そうで、非常に動きが鈍かった。

 フットワークやパンチにかつてのバネ、スピードをわずかな片鱗でさえうかがうことはできない。反射神経の衰えかたもひどく、力まかせでスキの大きいマリンガの連打を、ほとんど避けられていなかった。

 特に、左右アッパーを何度も何度もモロに被弾していたのが印象的だ。もともと下からの攻撃には強くなかったが、ほとんど見えていないようだった。



 終始一方的に打たれ続け、3回には左ストレート→右フックでガードを崩されたところに左アッパー、右フック、左アッパーのコンビネーションをくらって崩れ落ちるようにダウン。なんとか起き上がったが、足元はふらつき、致命的なダメージを受けているのは明らか。

 この時点で止めてもよかっただろう。4回がはじまってすぐ、ダメージの抜けないままふらふらと下がるところにマリンガの強烈なロング左アッパーが直撃。

 腰が落ち、ガードするだけのウィラポンが一方的に打たれ始めたところで試合はストップされた。


 往時の姿を知る人間には寂しささえ覚える無残な内容で敗北した数日後、ウィラポンはついに引退を発表した。

 マリンガが良かったというよりは、ひたすらウィラポンの衰えだけが目についただけに、当然の決断と言える。

 長谷川に負けたときとはわけが違う。これから持ち直す、ということが全く考えられない姿だった。

 連続防衛中の力なら、おそらくはマリンガのアッパーやストレートの隙間にあのノーモーションの右を何発もわせて軽く一蹴したに違いないが、それが戻ってくることは二度と、ない、のだ。

 西岡利晃や辰吉丈一郎がこの試合を見たらなんと思うだろうか。

 ウィラポンは今後は後進の指導にあたっていくようだが、ムエタイのベルトもとった上にバンタム級ではAもCもベルトを獲り、Cの方は10回を超える防衛という快挙も成し遂げた。間違いなくバンタム級史に名前が刻まれるボクサーでもある。

 自身のキャリアに悔いはないだろう。


 サマン・ソーチャトロンやソムラック・カムシンなど、タイでは何人もの名選手が引退後にビジネスの失敗やら女やらで、蓄えた財産や名声を失っていると聞く。が、ウィラポンほどの求道者なら、堅実にトレーナーとしてキャリアを積んでいく・・・・はずだ。

 たぶん。


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■おおひなた れい
19○○年生まれ、東京都出身。八王子に屹立する某美大に、不真面目に通う院生。WEB2.0環境の恩恵を受けて以来、本格的に海外ボクシングを見始める。ジョイス・キャロル・オーツの『On Boxing』やブコウスキーに触発され、ボクシングと芸術の関わりについて日々考察中。約2分ほどプロボクサーを志した過去もあり…。

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