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help リーダーに追加 RSS 世界一遅い北京五輪総評・前編【On Boxing@PC #038】

<<   作成日時 : 2008/11/22 23:10   >>

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おおひなた れいの《On Boxing@PC》
――モニタの片隅からセカイを覗く――

※バナー作成中


#038 世界一遅い北京五輪総評・前編


 こんにちは、おおひなたです。

 いやあ〜北京五輪が終わって、もう3カ月・・・ですかね。

 うーん・・・、ちょっと・・・、ねえ・・(苦笑)。「アクティブな企画をやりますよ!」と宣言しておきながら、な〜んでぼくは今になってこんな文章を書いているのでしょうねw

 我ながら本当にびっくりしています。あのときは真夏でしたが、今は真冬が目の前に迫っています。

 でも、まあ、嘆いても始まりません。人生、こんなもんでしょう。

 ともかく、あまりにタイミングを逃していますが4年に一度のアマチュアボクシングの一大祭典をざっと振り返ってみることにします。

※試合が多すぎる為すべてに触れる余裕はないし、今回はネットでも見れる映像の紹介はナシで行きたいと思います。


 この連載をときおりでも読んでくだすっている方ならば、レポートの中核は亡命したキューバ人たちの試合であることをご存じだろう。

 当然のことながら、五輪でもぼくが注目していたのはキューバ勢の動向だ。

 日本勢の2人(清水聡=フェザー級、川内将嗣=ライトウェルター級)の結果よりはるかに、比較にならないほど一喜一憂していたほどだった。

 ぼくは音楽がらみで二度ほど、のべにして1カ月半ほど実際にキューバへ行ったこともあるのだけれど、それにしてもこの感情の肩入れっぷりはもはや自分でも驚くくらいである。

 知人には、「お前の意識とか行動は、アフリカの人が日本のプロ野球を熱心に見て、巨人がどうのとか、“ヨシノブ最高!”とか、“ラミレスは王の記録に並ぶかな?”とか気にしてるようなもので、不自然だ」と言われている。

 しかし、その不自然さこそこの連載の根本にある「セカイの片隅からセカイを覗く」ことであり、ポストモダン社会のWEB空間のありようだ。

 人種、国籍、居住地がどうあれ、高度情報化社会下のマニアの視線は、そこをある意味では自在に超越するのだ。


 さて、そんな前置きはほどほどにして、五輪そのものに戻ろう。いつもながら長くて申し訳ないけど…。

 結果からいえば、今回の五輪は近年稀にみる混戦ぶりだったのではないだろうか。

 予想はされていたが開催国である中国の躍進が目立ち(金2、銀1、銅1)、今まで全く視界にも入らないほどの弱小国だったモーリシャスやインド、ドミニカ、モンゴルからもメダリストが生まれたが、逆にこれまでの強豪国は苦戦を強いられたところが多かった

 ロシアは金を2つ確保したものの全階級エントリーして3階級しか準決勝以上にすすめず、キューバはメダル総数こそ前回同様8個と他国を圧倒的に引き離していたが、昨年から続く主力選手の亡命もあって、ボイコットした五輪をのぞけばメキシコ大会以来40年ぶりに金メダルは「ゼロ」という結果に終わった。

 ウズベキスタンとドイツは、メダルをひとつも取れないどころか大半の選手が1、2回戦で消えてしまうという爆沈ぶり。カザフスタン、ウクライナも金メダリストが出たことは出たが、これまでと比べるともう一つふるわなかったと言える。

 プロでは世界の中心にいるアメリカ合衆国もシドニー大会以降の凋落ぶりは深刻で、2007年の世界選手権で金だったデメトリアス・アンドラーデらがクォーターファイナルにも進めずに次々と敗れ、結局スーパーヘビー級でデノン・ワイルダーがなんとか銅を獲得しただけという悲惨な様相を呈していた。


 今大会はフェリックス・サボンマリオ・キンデランギジェルモ・リゴンドーなどの超人的アマスターもおらず、プロ入り後の活躍が望めそうなボクサーもあまり見当たらなかった。そのせいか、いまひとつパッとしないというか、トップ付近のレベルが低下していたようにも思う。

 これからも亡命するキューバ人は増え、旧ソ連圏の選手たちのますますのプロ転向は続くだろうし、相対的にアマの世界は中央も含めたアジア勢の伸びが加速していくに違いない(まあ、残念ながら日本はそんな躍進とは完全に無縁なのだが)


 そういえば、大会直前には採点に関して変更があったことも特筆すべき事柄だ。今までよりクリーンヒットの基準がはるかに厳しくなり、軽いヒットはほぼカウントされなくなったのだ。

 この変更が効いて、アテネ大会とは比べものにならないほどロースコアゲームが増えていたし、アマ特有とも呼べるスタイル、試合内容がさらに顕著になっていた。


 アマはクリーンヒット数のカウントで勝敗を決める2分×4Rの短期決戦のため、勝つには間合いの見切りが一番のカギになる。

 短期決戦であることに加えてヘッドギアも装着しているから相手にダメージを与える必然性が薄く、プロのようにボディーから顔面、または上から下というようなコンビネーションはあまり打たないし、ジャブからワンツーというセオリーもほとんど意味がない(この大会も、明確なヒットであっても、多くの場合ボディはカウントされていなかった)。

 フェンシングのようなかまえで小刻みに飛び跳ねながらリードで距離を測り、ガードの隙を見つけたらさっとストレートを一、二発打ち込んでは離脱するという戦法がルールに適応したもっとも効率よくポイントを奪えるのだ。

 対戦する両者に実力差がありすぎる場合は実にきれいな試合になるが、力が拮抗していれば接近戦でのもみ合いが多発し、互いに強引なストレートやオープン気味のフックを、ほとんど闇雲と言って差し支えないような勢いで振り回しあった末、僅差で決着、という泥試合に陥ることがしばしば。

 制約の多い状況から、試合内容や選手たちが似通ったものになってしまうことも指摘できる。

 少なくない数のプロボクシングマニアは、「突っつきあい」「お触りゲーム」「雑でバタバタしてる」と呼んでこれを嫌う傾向にある。


 日本国内では、世界はもちろんのこと国内の各種アマチュアのテレビ放映など絶無であり、五輪でさえ決勝が数試合だけ流されるだけにとどまっている。今回の北京も同様で、スーパーヘビー級やミドル級などの決勝が放送されはしたが、上記のような不満を抱える人間の目を満足させる内容だったとは言い難い。

 やはりどうしても、パっと見、せわしなくガチャガチャした素人臭いもみ合いという印象を与えたのではないか。特にライトヘビー級から上の重い階級やバンタム級、フライ級あたりの軽い階級にそれが顕著だった。

 要求される技術の幅は狭く限定的だが、それゆえに勝ち残る競争は熾烈だということも、なかなか映像からは伝わりづらいだろう。

 日本放映以外の多くの試合を観ても、やはり、内容と言うよりは国の勝ち負けを重視して観なければ面白さが半減してしまう試合が多かったように感じた(五輪競技のほとんどがそうなのだけれど)。

・・・・つづく


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■おおひなた れい
19○○年生まれ、東京都出身。八王子に屹立する某美大に、不真面目に通う院生。WEB2.0環境の恩恵を受けて以来、本格的に海外ボクシングを見始める。ジョイス・キャロル・オーツの『On Boxing』やブコウスキーに触発され、ボクシングと芸術の関わりについて日々考察中。約2分ほどプロボクサーを志した過去もあり…。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
世界一遅いですか・・・!
実は私もずっと北京五輪のレビューを書こうと思っていてそのままです(笑) 書くのって結構気合いるんですよね・・・。

今回ですが仰る様にスーパーアスリートたる選手はいませんでしたね。それは多くの人が感じていて書いてました。(でも1人明らかにそう呼ぶに相応しい選手を私は見ましたが・・・彼は本当に凄い)。リゴンドーが出てれば印象は違ったんでしょうか。(旧ソ連の中央アジアの相変わらずの強さも含め)アジア圏の伸張は目覚しい、今後は中国と共にインドも大国となっていきそうだ。西欧の復活が著しかったけど、中東欧とドイツの惨敗は酷かった。ロシアは流石、キューバは惨敗ですが「世界選手権欠場、若手ばかり、トップ数人欠場」を考えれば8人メダルは物凄い。全体的にパワーバランスは多極化しています。

個人的にはですが、全体的にレベルは高めのような気がしたんですが、これは気のせいなのかなぁ?良い選手は一杯見ました。ボディーブローですが綺麗に当てないとポイントは難しいですね。綺麗に当てて数ポイント稼いだ選手は見ました。まだ採点基準は揺れていると言った印象ですね。
匿名さん
2008/11/23 02:30

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