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help リーダーに追加 RSS 世界一遅い北京五輪総評・後編【On Boxing@PC #039】

<<   作成日時 : 2008/11/23 23:00   >>

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おおひなた れいの《On Boxing@PC》
――モニタの片隅からセカイを覗く――

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#039 世界一遅い北京五輪総評・後編


←【前編

 こんなことを書いたあげく、プロ入り後を観たい選手が少ない・・・とまで嘆いてしまったが、それでもやはり、幾人かはそう思わせるボクサーもちゃんと存在していたとフォローしておくことにする。

 キューバ勢以外なら、すでにプロ入りが決まっているヴァシリー・ロマシェンコ(ウクライナ=フェザー級で金)、つい先日デビュー戦を終えたばかりのデメトリアス・アンドラーデ(アメリカ=ウェルター級)、ミドル級のマトベイ・コボノフ(ロシア)、ライトウェルター級で金のマヌエル・フェリックス・ディアス(ドミニカ)、同じくライトウェルター級のセリク・サピエフ(カザフスタン)らはアマ特化型のスタイルというわけではなく、順調にいけばプロでも十分に活躍が見込めるはずだ。特にフェザー級のロマシェンコとライトウェルター級のディアスには、個人的にかなり期待している。


 全体を俯瞰した感想はざっと以上のようなものだが、最後に付け加えるなら、やはりキューバの地力の高さ、選手層の厚さには驚かされた。既述したように金メダルこそゼロという厳しい結果に終わったとはいえ、短期間にあれだけの亡命者を出しながら10階級で代表を送り込み、メダル総数は8個(銅と銀が4つづつ)と圧倒的な数で他を全く寄せ付けていない。これはやはり異常な、ほとんど奇跡的なことと言える。

 代表クラスが一気に何人も離脱しているというのにここまでの成績を残せる国など、キューバ以外では連邦崩壊後も未だ健在を示すロシアぐらいのものだが、それにしたところで崩壊直後のバルセロナ大会は悲惨だった。

 ぼくでさえ五輪が始まる前まではもっと目も当てられない結果に終わるだろうと予想していたし、WEBでも主力の亡命や引退に加え、他国のレベルアップも加味して「今回はダメだろう」という予想が少なくなかった。

 五輪を全試合フル放送したBBCの実況アナウンサーは、銅メダル以上が確定するクォーターファイナルの最終戦であるミドル級でエミリオ・コレーアがウズベキスタンの Elshod Rasulov を下すと、

キューバにはもうキンデランもリゴンドーもソリスもバルテレミもガンボアもいませんが、それでも8人のボクサーがセミファイナルまで進出しました!」

 と驚嘆していたものだ。

 つくづく、この国がボクサーたちに選択の自由を与えていないことが残念でならない。

 今回新たに代表に選ばれていたウェルター級のカルロス・バンテウクス・スアレス、ライトウェルター級のロニエル・イグレシアス、バンタム級のヤンケル・レオン、ライトフライ級のヤンピエ・エルナンデスらはみな素晴らしい素材だったし、リゴンドウたちとは違ったスタイルを築いていた。

 そして、やや不調だったせいか銅メダルに終わった2005年世界選手権を制したライト級のヨルデニス・ウガスなどは、すぐにでもプロ入りして欲しい逸材なのだから・・・・。

 彼らは、これまでキューバに出現した数多くの優れたボクサーたちがそうだったように、そして、本当はそうであって欲しくなかったように、共産党の道具として閉じ込めておくにはあまりにも惜しい。

 思想実験の妄執はいつまで個人を束縛する気なのだろうか・・・。

※追記
 この記事によると今年の12月をめどに、キューバ国民のパスポート取得が自由化される流れなのだという。これでグリエルらの野球代表チームの選手が自由に日本のチームと契約できるはず、といった記事だが、これはそのままボクサーたちにも当てはまる事柄だ。

 政府としては、亡命されるよりは税金というかたちで外貨を得たいのではないか・・・、アスリートたちにとっても家族と自由に会えなくなるという最大の懸念が解消されるのだし、、、という推測がなされていた。

 しかしこのニュースはやはり、真に受けられないというか・・・リスクが高すぎて、非現実的にしか聞こえない。ミュージシャンならいざ知らず、スポーツは相変わらず国威発揚の最優先手段に近いのだから、余計にダメだろう。


▽バックナンバー
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#006 キューバ勢ウオッチ【亡命事件の顛末】
#005 キューバ勢ウオッチ【ビデオ観戦…の後編】
#004 キューバ勢ウオッチ【ビデオ観戦…の前編】
#003 キューバ勢ウオッチ【前フリ…の後編】
#002 キューバ勢ウオッチ【前フリ…の前編】
#001 はじめに


■おおひなた れい
19○○年生まれ、東京都出身。八王子に屹立する某美大に、不真面目に通う院生。WEB2.0環境の恩恵を受けて以来、本格的に海外ボクシングを見始める。ジョイス・キャロル・オーツの『On Boxing』やブコウスキーに触発され、ボクシングと芸術の関わりについて日々考察中。約2分ほどプロボクサーを志した過去もあり…。

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内 容 ニックネーム/日時
リンク記事の話題ですが、続報を聞かないですがどうなってるんでしょうね。カストロ後は徐々に解放(資本主義化)してくんでしょうが、もうカストロから継いだ弟のラウルの下で徐々に進んでると言われてますね。何れは海外活動は普通に出来るようになるでしょうが、その時期が問題です。来年か10数年後か・・・。で、早く開放された方がいいです。理由は、一つには勿論プロのスターが増える事。もう一つは勢力分布の均衡→世界各地でトップアマ選手が生まれるようになり、ボクシング全体の為に良いからです。

私が最も感動した選手は、ズバリ記事中にあるバシル・ロマチェンコです。彼は凄い、素晴らしい・・・ボクシングの能力の奥深さと高さと、スター性と、若さと。先ほどのヨーロッパ選手権では優勝しましたがもうプロ入りは決まってるんですか?北京で優勝した時はクリチコ兄弟のK2プロモーションでデビューするんじゃとか言われましたが。個人的にはここ数大会で最も注目する選手で、世界をとればスーパースターは間違いなしだと思います。
匿名さん
2008/11/24 10:32

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