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zoom RSS オールド・ファッション・ボクシング〜3 【酔いどれ前のひとりごと vol.111】

<<   作成日時 : 2009/02/27 23:40   >>

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vol.111 オールド・ファッション・ボクシング
〜タイソンからパッキャオまで〜3


 1991年、世界ヘビー級チャンピオンはイベンダー・ホリフィールドだったが、時代はまだマイク・タイソンだった。

画像 タイソンはドノバン・ラドックを連破し、ホリフィールドはジョージ・フォアマンを判定で破り、さあ、いよいよ世界一決定戦――というところで、タイソンが収監されてしまった。

 のちに実現はするが、やはりここでやってほしかった。両者の力が最も接近していた時期だったように思う。

 エキサイトマッチ1991年放映分でほかに印象に残った試合は、「アズマー・ネルソンvs.ジェフ・フェネック」に「ムアンチャイ・キティカセムvs.張正九」、「トニー・ロペスvs.ホルヘ・パエス」等がある。

 中でも「ロペスvs.パエス」は、1991年の総集編には取り上げられなかったが、両者の相性がよかったのか、12ラウンズ間断のない打ち合いで、僕の好きな試合になった。ともに世界王者の肩書きがあるけれど、ともにスーパースターではない。その2人がいい試合を見せてくれた。

 以前に安部譲二さんへインタビューに伺ったとき、「僕は二流の作家だ」と言われた。元世界王者の西城正三さんは、「僕のボクシングはB級だった」と言われた。

 一流二流三流、A級B級C級と、便宜上分けるだけならいいが、一流って何、二流って何、と、いろいろな分野での評価の区分けに接するたびに首をかしげることがある。

 ロペスvs.パエスは、けれんみのない愚直なファイトで、やっている当人たちは二流ボクサーかもしれないが、試合はA級だったと、観客のスタンディング・オベーションに思いをかさねた。


 小咄。

 或る夜、ホニャララという彗星が現れて、わずか9戦目にして、前評判の高い世界チャンピオンを完膚なきまでに叩きのめしました。ジュニアフライ級という軽いクラスでしたが、迎える相手をばったばったと倒しまくって拍手喝采。

 さあ、これに続けと、ゼニにモノ言わせて世界王者促成量産計画が始まりました。

 或る夜、ホニャララという折り紙つきのボクサーが現れて、派手なパフォーマンスで賛否両論、8戦目にして世界チャンピオンになりました。

 眼をわずらいはしたものの、勝負に負けたわけじゃない。暫定王者の語を定着させました。

 或る夜、ホニャララというアンチヒーローが現れて、劣勢に見えた試合が勝ちになり世界王者になりました。不可解な判定は古今東西いくらでもありましたが、アンチヒーローだけに疑惑判定に非難ごうごう。

 専門家の意見も分かれ、テンポイントマストシステムという、筋が通っているような、屁理屈がまかり通るような、素人を煙に巻く採点基準が声高に言われるようになり、一部では公開採点も始まりました、とさ。



▽バックナンバー
vol.110 世界を制する左を
vol.109 オールド・ファッション・ボクシング〜2
vol.108 オールド・ファッション・ボクシング〜1
vol.107 粟生惜敗で思い出す「女神」…つづき
vol.106 粟生で思い出した「女神の機嫌」
vol.105 粟生が逃したチャンス
vol.104 がれき
vol.103 大場政夫の強さについて
vol.102 ずるずる負け
vol.101 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 3
vol.100 日本最高試合その3
vol.99 日本最高試合その2
vol.98 日本最高試合その1
vol.97 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 2
vol.96 たわごと・ざれごと・えそらごと
vol.95 追放
vol.94 ゴキブリ発言
vol.93 辰吉、魅惑の3番勝負
vol.92 それぞれの落日
vol.91 運の悪い男
vol.90 ロッカールーム
vol.89 重箱のスミ〜2006年12月号
vol.88 重箱のスミ〜2006年11月号
vol.87 アウトがセーフ
vol.86 重箱のスミ〜2006年10月号
vol.85 ラウンドガールは飯島愛
vol.84 重箱のスミ〜2006年9月号
vol.83 夢の始まりは…
vol.82 重箱のスミ〜2006年8月号
vol.81 拳聖ふたたび
vol.80 重箱のスミ〜2006年7月号
vol.79 重箱のスミ〜2006年6月号
vol.78 重箱のスミ〜2006年5月号
vol.77 重箱のスミ〜2006年4月号
vol.76 重箱のスミ〜2006年3月号
vol.75 悪いのはだれだ? おれだ…
vol.74 オサム会長はおっきいのがお好き
vol.73 重箱のスミ〜2006年2月号
vol.72以前 夜明け前,カメダ・ワールド,重箱のスミ〜2006年1月号,逆転の貴公子,ほんの少しの恐怖,ジャブを出せ,ガッツ石松 vs ロベルト・デュラン〜もちろん架空〜エキジビション,最強という名の幻想,年間最高試合について,これぞ伝説,アリ、フレージャー、そしてフォアマン,だけどファイティング原田は好きだった,なんとなく空想対決[G.フォアマン vs B.サップ],拳聖....etc.


■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。ここ数年は週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。

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