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zoom RSS オールド・ファッション・ボクシング〜9 【酔いどれ前のひとりごと vol.118】

<<   作成日時 : 2009/06/02 23:45   >>

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vol.118 オールド・ファッション・ボクシング
〜タイソンからパッキャオまで〜9


 1994年4月、マイケル・モーラーがイベンダー・ホリフィールドを判定にくだしてWBA・IBF王座についた。

 9月にはレノックス・ルイスがオリバー・マッコールに右一発で倒されてWBC王座から落ちた。

 そして11月、ジョージ・フォアマンがこれも右一発でマイケル・モーラーを倒して奇跡の返り咲きをした。その勝利はボクシング界にとどまらず広く世の共感を呼んだ。

 当時、フォアマンに続いてラリー・ホームズもカムバックしていたが、その理由はマネーやスポットライトのほかに、僕は世界タイトルマッチが12回戦になっていたことだと思っている。

 15回戦をこなしたボクサーなら12回戦はだいぶラクに感じられるのではないか。

 加えてアメリカ中心のボクシングが倒すよりもポイントを取るほうに重きをおきつつあり、安全管理も一応は徹底される向きになってきて、どういったらいいのかなあ、今風に言うと、ボクシングそのものが安心安全なものになりつつあって・・・・それらは今も続いているけれど、グローブを置いたボクサーでもその気になればまだまだできるし手ひどいことにもなるまいと思いこませる要因が、1980年代後半以降のボクシングに増えた。

 と、これはもともと地力のある選手のカムバックに限って僕が考えたこと。こういう話になるとマービン・ハグラーとシュガー・レイ・レナードの試合に行きついてしまうが、それはまたにして、なによりフォアマンである。

 1970年代の強面(こわもて)で無愛想で不人気の面影はまるでなかった。円くなるとはこういうことかと、わかったようなわからぬようなことがその姿を見るたびによぎったものだった。

 45歳にして20年ぶりの王座復帰は見事だけれど、1974年のキンシャサや1977年のサン・ファンでの、四面楚歌の、たぶん、リングに立つ、悪者としてのフォアマンのほうに僕は目がいってしまう。

 あのときの歓声の陰に隠れた、暗くよどんだ悪意みたいなものに、僕はまだ興味がある。それをどっかに書きとめておきたいが、面倒臭いから既存のもので済ませてしまうかもなあ。

 話は前後するが、エキサイトマッチはこの年1994年4月にモハメド・アリのドキュメント THE WHOLE STORY を6日連続で放送した。こういうものが作られ、語りつがれていくボクサーは、ほかはマイク・タイソンくらいだろうな。

◇   ◆   ◇   ◆   ◇

 2009年5月3日はマニー・パッキャオの日だった。

 きれいな包装紙に包まれた大きな箱を開けたら、同じような包みの箱が入っていて、その包みをといたらまた似たような箱。また開けたらまた箱。また箱。箱、箱。いいかげん止めようとしたけど、がまんしてたら、最後の小箱に大きな宝石が光っていた。僕にはそんな試合だった。

 リッキー・ハットン、何もできなかった。だけどあなたも宝石だった。


▽バックナンバー
vol.117 オールド・ファッション・ボクシング〜8
vol.116 オールド・ファッション・ボクシング〜7
vol.115 オールド・ファッション・ボクシング〜6
vol.114 オールド・ファッション・ボクシング〜5
vol.113 オールド・ファッション・ボクシング〜4
vol.112 粟生隆寛、1ラウンドKOを命ず
vol.111 オールド・ファッション・ボクシング〜3
vol.110 世界を制する左を
vol.109 オールド・ファッション・ボクシング〜2
vol.108 オールド・ファッション・ボクシング〜1
vol.107 粟生惜敗で思い出す「女神」…つづき
vol.106 粟生で思い出した「女神の機嫌」
vol.105 粟生が逃したチャンス
vol.104 がれき
vol.103 大場政夫の強さについて
vol.102 ずるずる負け
vol.101 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 3
vol.100 日本最高試合その3
vol.99 日本最高試合その2
vol.98 日本最高試合その1
vol.97 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 2
vol.96 たわごと・ざれごと・えそらごと
vol.95 追放
vol.94 ゴキブリ発言
vol.93 辰吉、魅惑の3番勝負
vol.92 それぞれの落日
vol.91 運の悪い男
vol.90 ロッカールーム
vol.89 重箱のスミ〜2006年12月号
vol.88 重箱のスミ〜2006年11月号
vol.87 アウトがセーフ
vol.86 重箱のスミ〜2006年10月号
vol.85 ラウンドガールは飯島愛
vol.84 重箱のスミ〜2006年9月号
vol.83 夢の始まりは…
vol.82 重箱のスミ〜2006年8月号
vol.81 拳聖ふたたび
vol.80 重箱のスミ〜2006年7月号
vol.79 重箱のスミ〜2006年6月号
vol.78 重箱のスミ〜2006年5月号
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vol.76 重箱のスミ〜2006年3月号
vol.75 悪いのはだれだ? おれだ…
vol.74 オサム会長はおっきいのがお好き
vol.73 重箱のスミ〜2006年2月号
vol.72以前 夜明け前,カメダ・ワールド,重箱のスミ〜2006年1月号,逆転の貴公子,ほんの少しの恐怖,ジャブを出せ,ガッツ石松 vs ロベルト・デュラン〜もちろん架空〜エキジビション,最強という名の幻想,年間最高試合について,これぞ伝説,アリ、フレージャー、そしてフォアマン,だけどファイティング原田は好きだった,なんとなく空想対決[G.フォアマン vs B.サップ],拳聖....etc.


■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。ここ数年は週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。

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