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zoom RSS ストレート・フェチ 【酔いどれ前のひとりごと vol.129】

<<   作成日時 : 2009/12/24 23:45   >>

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vol.129 ストレート・フェチ


 アルツロ・ガッティを初めて見たとき、ああオレはこの選手を好きになるなあと思った。左をぽんぽんびしびし出して・・・こういうの、オレ、弱いんだよね。ストレート・パンチャーっていうだけで目がいってしまう。

 その後に見せる彼の激闘は称賛に価するけれども、ストレート主体のボクサーという第一印象が今でもある。

 もうずっとずっと前のこと、ン十年も前の或る日、ボクシング指南書を、もうその書名も覚えていないが、読んでたら、腰の回転でパンチは繰り出されるからパンチはフックになるのが自然、というような趣旨のことが書いてあって、それだけがいつまでも頭に残った。

 自然にまかせてぶんぶん振りまわせばそのぶんラクだろうに、ストレートは円運動をあえて直線の軌道に変えるという作業をする。そういう理屈を勝手にこしらえて、それが愚かな努力に映って、天邪鬼のオレは気に入ってしまった。まっすぐなパンチが単にきれいに見えただけなのかもしれないけどね。

 体操選手が鉄棒でぐるぐる回っていて、ある瞬間、体に加減をつけて、ふっと上方向というか縦方向に移動する、あるいはハンマー投げでサークル内をくるくる回って気合一番、放たれたハンマーは、円を描いて飛ぶかというと、まっすぐに延びてゆく――ああいうのを見るたびにストレートパンチを思い浮かべていた。

 ユーリ・アルバチャコフを贔屓にしてしまうのもストレート・フェチゆえで、コウジ有沢も良かった。彼らにはまた一本調子のブキッチョさがあって、専門家はああじゃこうじゃ言うけれど、あばたもえくぼ、それがまたいいじゃん。

 左は世界を制すとかストレートパンチの効能とか、そういうこと以前の話さ。

 そういえば「薬師寺保栄vs.辰吉丈一郎」の戦前予想。薬師寺が、というより、ストレートが勝つんじゃないかと言って、結果当たって、そばにいた女の子に褒められたもんだが、あれ以来、見る目がなくて、大試合の勝敗予想は当たらなくなった。ついでながら女運もなくなった、もともとなかったけどさ。

 いつぞやJBスポーツジムに、高橋直人会長(当時)をたずねた折、ボクサーがだめになっていく目安の一つとして、脇が開いてしまってストレートがまっすぐに打てなくなるということがあると教えてもらったことも思い出す。

 とにもかくにも、長谷川穂積もマニー・パッキャオもたいしたもんだった2009年。

 暮れゆく時間に天を仰ぐ。死んだらそれっきりのはずで、天国も地獄もありはしないが、勝手なもんで、自分が好きだった人が死んだときだけあの世が出てくる。

 輝く星と消えゆく星とを想い、柄にもない少女趣味と我ながらあきれつつ、夜空の星と闇とを、立小便しながらだけど、眺めたよ。


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vol.101 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 3
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vol.99 日本最高試合その2
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vol.97 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 2
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vol.92 それぞれの落日
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vol.74 オサム会長はおっきいのがお好き
vol.73 重箱のスミ〜2006年2月号
vol.72以前 夜明け前,カメダ・ワールド,重箱のスミ〜2006年1月号,逆転の貴公子,ほんの少しの恐怖,ジャブを出せ,ガッツ石松 vs ロベルト・デュラン〜もちろん架空〜エキジビション,最強という名の幻想,年間最高試合について,これぞ伝説,アリ、フレージャー、そしてフォアマン,だけどファイティング原田は好きだった,なんとなく空想対決[G.フォアマン vs B.サップ],拳聖....etc.


■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。ここ数年は週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。

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内 容 ニックネーム/日時
初めて投稿させてもらいます。
石塚紀久雄氏(織田淳太郎)が書いた「大場政夫の生涯」の文庫本の題名が狂気の右ストレートでした。
大場政夫さんは、交通事故や逆転劇で有名ですが試合を見て驚いたのはそのストレートの美しさでした。
その後文庫本の題名は「首都高に散ったチャンピオン」に変わって作者の名前も変わりましたが・・・
狂気の右ストレート
2009/12/25 14:06

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