あしボク編集Blog

アクセスカウンタ

zoom RSS 目の前の人――勝間和雄 【酔いどれ前のひとりごと vol.136】

<<   作成日時 : 2013/04/03 12:30   >>

ナイス ブログ気持玉 6 / トラックバック 0 / コメント 3

画像


vol.136 目の前の人――勝間和雄


 過日、ある酒席に招かれて、はからずも勝間和雄さんにお会いすることができた。

 果敢なファイトスタイルがよみがえってきて、僕個人の想い出なんかも浮かんできたりして、ちょうど向かい合わせの席でもあったので、僕は懐かしさいっぱいで往年の名ボクサーをまじまじと見つめてしまった。

 現役のころと変わらぬ体型で、引退後も体に傷みはなく、2.0だった視力が年のせいかこの頃1.5になってしまったと嘆くほどに眼疾の憂いもないのは、嬉しいものだ。

 空手の鍛え方で鍛えたから拳も痛めたことはないという。その拳は軽量級ボクサーのものとしては驚くほど大きく、ナックルパートは隙間なく積まれた石垣のようできれいだった。

 話は自然、ベストバウトだろう小林光二戦に及ぶ。

 気持ちはずっと前へ前へ、パンチはまっすぐ中へ中へ打ちこんでゆく。日本王者になって一戦ごとに勢いづいて、その最高到達点での試合だったというのが僕の印象だけれど、初めから勝つつもりだったと、ご本人は28年後の今もケロリとしていた。

 そして渡辺二郎戦。

 地上波の(当時はそれしかなかったんだけど)、ゴールデンタイムでの(世界戦では当たり前だったんだけど)、単一カードでの世界タイトルマッチ(そんな時代があったんだねえ、プロボクシングをみんなが見ていたという時代が)

 待ちの王者に出鼻出鼻を叩かれて、勝負をさせてもらえなかった感があるが、

「あの試合、勝間さんカッコよかった、ほんとカッコよかった」

 ふいに声をあげた人がいたので僕は虚をつかれた。

 どこがどうカッコいいのか、家族を背負って強者に向かっていく姿勢かしら、その理が僕には呑み込めなかったが、僕には見えず、その人には見えたものがあったんだろう。

 うん、そう、そういうのって大事なんだよなあ。感じたものをなにものにも左右されずに感じとっておくっていうようなこと。

 惨敗とかミスマッチとか、渡辺二郎戦は今でもそんな声がある。

 でもそれは結果をみての安全な言い分だろう。それともこの世は結果かしら、かもしれないけれど、ならば初敗北までのマイク・タイソンやトーマス・ハーンズの試合はほとんどがミスマッチだったってことだよなあ。

 ま、そんなことはともかく、テレビの中やリングの上だけだった人が目の前の人になったとき、時の移ろいも懐かしく、その気さくな人柄も手伝って、勝間和雄その人に情が移って、夜は更けていきました。


▽バックナンバー
vol.135 天国のボクサー
vol.134 幸運な偶然+ボクシングへの思い=?
vol.133 大晦日の横浜文化体育館・W世界戦
vol.132 長谷川穂積の言葉
vol.131 女あるじ
vol.130 オールド・ファッション・ボクシング〜12
vol.129 ストレート・フェチ
vol.128 内藤vs.亀田を見て .....
vol.127 いやんなっちゃうぜ
vol.126 ハグラーvs.レナード――強者と勝者
vol.125 モハメド・アリ最高試合
vol.124 敗者の残像
vol.123 稀代のボクサー
vol.122 デュランvs.レナードと、六月の雨
vol.121 オールド・ファッション・ボクシング〜11
vol.120 オールド・ファッション・ボクシング〜10
vol.119 ごめんね、テリー・ノリス
vol.118 オールド・ファッション・ボクシング〜9
vol.117 オールド・ファッション・ボクシング〜8
vol.116 オールド・ファッション・ボクシング〜7
vol.115 オールド・ファッション・ボクシング〜6
vol.114 オールド・ファッション・ボクシング〜5
vol.113 オールド・ファッション・ボクシング〜4
vol.112 粟生隆寛、1ラウンドKOを命ず
vol.111 オールド・ファッション・ボクシング〜3
vol.110 世界を制する左を
vol.109 オールド・ファッション・ボクシング〜2
vol.108 オールド・ファッション・ボクシング〜1
vol.107 粟生惜敗で思い出す「女神」…つづき
vol.106 粟生で思い出した「女神の機嫌」
vol.105 粟生が逃したチャンス
vol.104 がれき
vol.103 大場政夫の強さについて
vol.102 ずるずる負け
vol.101 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 3
vol.100 日本最高試合その3
vol.99 日本最高試合その2
vol.98 日本最高試合その1
vol.97 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 2
vol.96 たわごと・ざれごと・えそらごと
vol.95 追放
vol.94 ゴキブリ発言
vol.93 辰吉、魅惑の3番勝負
vol.92 それぞれの落日
vol.91 運の悪い男
vol.90 ロッカールーム
vol.89 重箱のスミ〜2006年12月号
vol.88 重箱のスミ〜2006年11月号
vol.87 アウトがセーフ
vol.86 重箱のスミ〜2006年10月号
vol.85 ラウンドガールは飯島愛
vol.84 重箱のスミ〜2006年9月号
vol.83 夢の始まりは…
vol.82 重箱のスミ〜2006年8月号
vol.81 拳聖ふたたび
vol.80 重箱のスミ〜2006年7月号
vol.79 重箱のスミ〜2006年6月号
vol.78 重箱のスミ〜2006年5月号
vol.77 重箱のスミ〜2006年4月号
vol.76 重箱のスミ〜2006年3月号
vol.75 悪いのはだれだ? おれだ…
vol.74 オサム会長はおっきいのがお好き
vol.73 重箱のスミ〜2006年2月号
vol.72以前 夜明け前,カメダ・ワールド,重箱のスミ〜2006年1月号,逆転の貴公子,ほんの少しの恐怖,ジャブを出せ,ガッツ石松 vs ロベルト・デュラン〜もちろん架空〜エキジビション,最強という名の幻想,年間最高試合について,これぞ伝説,アリ、フレージャー、そしてフォアマン,だけどファイティング原田は好きだった,なんとなく空想対決[G.フォアマン vs B.サップ],拳聖....etc.


■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。ここ数年は週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。


ロベルト・デュラン "石の拳" 一代記
白夜書房
クリスチャン・ジューディージェイ

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ロベルト・デュラン

ロベルト・デュラン石の拳一代記 [ クリスチャン・ジューディス ]
楽天ブックス
クリスチャン・ジューディス 杉浦大介 白夜書房発行年月:2013年03月09日 予約締切日:2013


楽天市場 by ロベルト・デュラン石の拳一代記 [ クリスチャン・ジューディス ] の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 6
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
渡辺さんへの挑戦者決定戦として
12Rで行われたんですよね、小林さんとの試合。
厳格さを感じ背筋を伸ばしたのを覚えています。
そしてロジカルコンテンダーとして堂々と挑戦。
もてる全てを出し切り最後は気力と根性
”これからだ!これからだ!”とつぶやきながら
渡辺さんに向かって行きました。
気力も体力も何もかも万策尽きようとした時
拳で会話していた渡辺さんが
”勝間さん もういいぜ”悲しげな微笑とともに
グローブで小さくサインを送りました
勝間さんは満足したようにマットに沈んでいきました。
渡辺さんを応援に行った自分でしたが、帰り道
悔しくて残念な気持ちの私がいました。
胸が締め付けられた忘れられない試合です。
まこまこ
2013/04/03 15:34
Jバンタム級は渡辺選手が頂上にいてそのほか群雄割拠でした。関選手 糸数選手 ジャッカル丸山選手も晩期でしたがまだ強く小林光選手もいました、すぐ後には丸尾選手 中島選手も続いていました。懐かしいです。私は関選手に
最も期待していて最初の対戦はKOで勝っていてそのころの勢い続いてほしかったです。

2013/04/03 23:05
渡辺二郎戦、私も“惨敗”と感じた一人です。当たり前かも知らんですが、何年もたち、いざご本人と話をさせてもらうと、ちがった感慨を抱きます。別途時間をとってもらう機会が持てたらいいな…と思いました。
[井]
2013/04/07 17:34

コメントする help

ニックネーム
本 文
目の前の人――勝間和雄 【酔いどれ前のひとりごと vol.136】 あしボク編集Blog/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる