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zoom RSS 1番 【酔いどれ前のひとりごと vol.171】

<<   作成日時 : 2016/10/30 23:55   >>

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vol.171 1番


 ことボクシングに関して、オリンピック金メダリストとプロボクシング世界王者と、どちらに値打ちがあるか、人はどちらを見るか。

 ローマ五輪で金メダルを川に投げ棄てたというカシアス・クレイを見るまでもなく、断然プロボクシング世界王者だった。何よりも片やアマチュア、片やプロフェッショナルだ。

 だけどなあ、今や世界王者は雨後のタケノコで、オリンピックゴールドメダリストは昔ながら4年に1度、その階級に1人、トータルで10人そこそこしか誕生しない。

 1本の細いけれどピカッと光る竹に、タケノコたちは輝きを封じられてしまった。金メダリストはかぐや姫に昇格して大事に育てられて注目のマトになっていく。

 村田諒太を揶揄するつもりはさらさらないが、将来、世界王者になってもなれなくても、今という時代の流れの中で村田は最高のものをすでに手に入れてしまっているんじゃないかと思うことがある。

 だったらなんだよ、って。

 うーん、なんでしょ。

 世界チャンピオンを、1番を、決めてくれって、そういうことかな。

 2番じゃダメなんですかって、ダメだよ、2番じゃ。

 1番がある世界、アマチュアではそれがあるのにプロではいつかなくなってしまった、あるいは本気で作ろうとしなくなってしまった、1番という世界。

 マニアの間では誰が1番か、わかっていたり暗黙に決めたりしているだろうが、一般大衆が知っていて仰ぎ見る存在の1番のボクサー、それがほしいな。団体を一つにしてメディアがばんばん情報を流せば可能だけど、そんなこと、核兵器根絶よりも難しいかもなあ。

 1番があるから、その1番をめぐって、ごちゃごちゃ、ああじゃこうじゃ、何かが始まったり終わったり、また始まったり終わったりして、面白いのになあ。


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■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。ここ数年は週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。

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