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zoom RSS もう一度だけ高橋直人 【酔いどれ前のひとりごと vol.190】

<<   作成日時 : 2017/10/27 23:55   >>

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vol.190 もう一度だけ高橋直人


 前に田辺清さんのことを書いたことがある。僕とは同時代ではなかったし、お会いする機会もなかったので机の上の考えで少し書いた。

 だけどなあ、やらせたかったなあ、やってほしかったなあ。高橋直人の世界タイトルマッチ。

 今里光男第2戦目のすぐあと、まだ早いと多くが言うだろうが、キャリアが終わって振り返れば、やるならあそこしかない。ご本人はもうバンタムの体重維持が限界だったというけれど、僕はあのときの高橋直人の輝きを買って、あの勢いのまま、世界タイトルマッチを見たかった。

 相手が誰だろうと、サウスポーでやりづらいとか相性が合わなそうとか、いろいろあったかもしれないが、挑んでほしかった、挑ませてほしかった。

 引退後、氏が表した『ボクシング中毒者(ジャンキー)』はパンチドランカーの告白だが、僕には、「相手のパンチをかわしてカウンターを打ち込む、相手のパンチが止まって見えた、負ける気がしない、世界チャンピオンにも試してみたかった」等々の一節が忘れられず、氏がそう感じていた時期はこの今里戦のころだったと思うし、だからこそあそこでやっていたらどうなっていたろうと、いまだに空想が止まない。

 数年前、高橋直人と同時期に活躍した元日本チャンプに話を伺っていたときに、ふと僕は高橋直人の世界戦に水を向けた。直人に世界は無理だよ、と元チャンプは即答したが、たとえ無理であったとしてもいい。勝負は時の運、敗れたら敗者の系譜に名を連ねて誇りを刻めばいいことだ。

 記録よりも記憶に残るボクサー、ンな手あかのついた言いぐさ、どうだっていいが、まさかね、高橋直人が世界戦のリングに立てなかったことがこんなに尾を引くとは。好きな女に好きだと言わずにしまったみたいな、悔いみたいな未練みたいなものを僕は引きずっている。

 田辺清さんの場合は十分な勝算がありながら、眼疾により、苦渋の、最良の、選択をせざるを得なかったが、その無念、僕にはつかみ切れないけれど、関係者やファンの方は今でも、田辺清さんに世界戦をやらせたかったとの思いが消えないのではないか。

 そんなもんかな人生は、そんなもんだぜ人生は、か。


▽バックナンバー
vol.189 完璧
vol.188 こんどはリングサイドで
vol.187 僕は高橋直人が好きだった
vol.186 パックマン連想
vol.185 オスカー・デラ・ホーヤについて
vol.184 空前絶後のボクサー
vol.183 怖かった 〜山中V13ならず〜
vol.182 負けたら引退
vol.181 山中慎介V13なるか
vol.180 次はゴロフキン
vol.179 2017.4.12
vol.178 田中恒成
vol.177 井上尚弥
vol.176 村田の背中に
vol.175 あらたしき年に
vol.174 ボクシング興行今昔
vol.173 無謀という名の炎を残して
vol.172 惨劇大好き
vol.171 1番
vol.170 だから落ち着かない
vol.169 具志堅越え
vol.168 連想
vol.167 海の向こうに怪物がいる
vol.166 イチロー
vol.165 追悼
vol.164 ボクシングフェス5.8
vol.163 陥落
vol.162 2015.12.31 大田区総合体育館
vol.161 2015.12.29 有明コロシアム
vol.160 女神が仕組んだ試合
vol.159 山中、危なかった
vol.158 グレート金山vs.大蔵秋彦
vol.157 デビュー戦で世界奪取
vol.156 記録と記憶
vol.155 うなりをあげて
vol.154 ドキュメンタリー『NO MAS』
vol.153 アリはなぜフォアマンに勝つことができたのか
vol.152 それでもやる
vol.151 ロベルト・デュラン寸感
vol.150 8度目も強かった
vol.149 丘を越えて
vol.148 幻の一戦
vol.147 2014最高試合
vol.146 八重樫vs.ロマゴン
vol.145 マーベラス
vol.144 輝くリング――2014.4.6
vol.143 ミラクル
vol.142 終わりかた
vol.141 怖さと切なさと輝きと
vol.140 怪物
vol.139 負け知らず
vol.138 神の左
vol.137 「石の拳」一代記!
vol.136 目の前の人――勝間和雄
vol.135 天国のボクサー
vol.134 幸運な偶然+ボクシングへの思い=?
vol.133 大晦日の横浜文化体育館・W世界戦
vol.132 長谷川穂積の言葉
vol.131 女あるじ
vol.130 オールド・ファッション・ボクシング〜12
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vol.128 内藤vs.亀田を見て .....
vol.127 いやんなっちゃうぜ
vol.126 ハグラーvs.レナード――強者と勝者
vol.125 モハメド・アリ最高試合
vol.124 敗者の残像
vol.123 稀代のボクサー
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vol.105 粟生が逃したチャンス
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vol.102 ずるずる負け
vol.101 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 3
vol.100 日本最高試合その3
vol.99 日本最高試合その2
vol.98 日本最高試合その1
vol.97 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 2
vol.96 たわごと・ざれごと・えそらごと
vol.95 追放
vol.94 ゴキブリ発言
vol.93 辰吉、魅惑の3番勝負
vol.92 それぞれの落日
vol.91 運の悪い男
vol.90 ロッカールーム
vol.89 重箱のスミ〜2006年12月号
vol.88 重箱のスミ〜2006年11月号
vol.87 アウトがセーフ
vol.86 重箱のスミ〜2006年10月号
vol.85 ラウンドガールは飯島愛
vol.84 重箱のスミ〜2006年9月号
vol.83 夢の始まりは…
vol.82 重箱のスミ〜2006年8月号
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vol.80 重箱のスミ〜2006年7月号
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vol.75 悪いのはだれだ? おれだ…
vol.74 オサム会長はおっきいのがお好き
vol.73 重箱のスミ〜2006年2月号
vol.72以前 夜明け前,カメダ・ワールド,重箱のスミ〜2006年1月号,逆転の貴公子,ほんの少しの恐怖,ジャブを出せ,ガッツ石松 vs ロベルト・デュラン〜もちろん架空〜エキジビション,最強という名の幻想,年間最高試合について,これぞ伝説,アリ、フレージャー、そしてフォアマン,だけどファイティング原田は好きだった,なんとなく空想対決[G.フォアマン vs B.サップ],拳聖....etc.

■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。ここ数年は週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。

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