渡辺俊介の《スポコン講座》 第4回[減量と体重]について、少し…

第4回[減量と体重]について、少し…
あした20日、WBAライト・フライ級チャンピオン、亀田興毅選手の初防衛戦が行われます。言動が派手な彼は、話題に事欠かないようで(笑)、フライ級からライト・フライ級への減量、その減量方法など試合前日の計量から、マスコミを賑わせています。
ボクシングを長年見続けているファンの方はご存知だと思いますが、最近ボクシングを見始めた方のために、そもそもボクシングの階級とは? ダイエットの違いとは?・・・など、亀田選手の減量話に乗じて体重に関して思うことを書き記します。
※プロボクシングでは、最重量のヘビー級(190ポンド=86.18kg以上)から最軽量のミニマム級(105ポンド=47.63kg以下)まで、実に17階級に細分化されています。軽いほうのクラスは3~4ポンド(1.36~1.81kg)刻みという細かさです。
→詳しくはこちらをご参照ください。
ボクサーは、相手との戦いが半分、体重との戦いが半分と、いささか大袈裟なことを言うトレーナーもいます。それほど減量とは過酷なものなのですが、なぜそこまでして体重を落とすのか? という疑問があると思います。
まずボクシングにおける体作りにおいての前提条件として
◆必要なもの=自分が有利になるもの
…相手を倒す筋肉,スタミナ,頑丈さ,体調の良さ
◆不必要なもの=自分が不利になるもの
…無駄な筋肉(パンチのスピードが落ちる),無駄な贅肉,体調の悪さ
があげられます。意外かもしれませんが、筋肉をつければつけるほどいいというものではないのです。
必要な能力を極限まで高め、不必要なものを極限まで削るコンディショニングの一つが、無駄な贅肉を減らす=減量をするということが言えると思います。体脂肪率を1ケタまで落とす選手も、多くいるようです。
もちろん成功すれば選手にとって大きなメリットになりますが、失敗すれば“体調不良”という大きなハンディを抱えながら戦わなければいけません。
☆減量をする競技とは?
ボクシングのように減量をする競技に、マラソンやスキーのジャンプなどがあります。
マラソンにおいて、長い距離を走るために必要なものは筋肉と、42.195kmを走り抜くための脂肪です(もっと複雑ですが、細かいことは別の機会に譲ります)。贅肉がついていれば、錘(おもり)を背負って走るのと同じなので、選手は贅肉とマラソンに使わない筋肉を落とせるだけ落とします。
マラソンの高橋尚子選手が、2000年のシドニー・オリンピックで金メダルを獲得した後に「太った」と一部週刊誌に叩かれましたが、体重を「戻した」という要素のほうが強いでしょう。
スキーのジャンプ競技も同じです。ジャンプ台から飛び立つ筋肉は必要ですが、己の体重が重すぎると早く落下してしまいます。ジャンプの選手にも減量はつきものです。
余談ですが、先月WBCスーパー・フライ級チャンピオン(当時)、徳山昌守選手とPRIDEの王者、五味隆典選手との対戦が噂されました。PRIDEのルールではなく、ボクシングのルールで戦うのに、なぜ受けないのか? という疑問を持つ方もいると思いますが、ボクシングはたった1kg、2kgの差が顕著に出る競技です(冒頭で記したように2kg変わったら、まる1階級変わるんです)。
この2人にはおよそ20kgの体重差があるそうですが、これだけ差があると五味選手のパンチを徳山選手がブロックしても、グローブの上からダメージを負ってしまう、という危険があります。しっかりディフェンスをしていても、それがまったく無意味になってしまうようなものです。
☆減量とダイエットとの違い
一時的にその競技で最高のパフォーマンスを発揮するために行うのが「減量」であり、超過した体重を自分の適正体重に戻すためのものが「ダイエット」です。
ダイエットは、様々な説がありますが、大まかに半年の間に0.5~1kgずつくらい自分の適正体重を落としていく、というやり方が平均的なようです。
70~75kgで体重が推移している人が、3年後に65~70kgで推移するようにダイエットをしましょう、という具合です。
減量については、急激に落とすやり方と、時間をかけて落としていくやり方があるようです。
一人一人体質が違うので、何がいいとは一概に言い切れませんが、どちらの方法をとるにせよ、減量にはリスクが伴います。数年前まで、Pound For Pound――全階級を通じて最強――と言われたロイ・ジョーンズJr. 選手 は、ライト・ヘビー級で相手がいなくなったため、体格的に著しく不利な2階級上のヘビー級タイトルに挑戦し、見事に戴冠しました。これはこれで快挙なんですが…。
その後、もとのライト・ヘビー級に階級を落としましたが、10kg近い体重の上げ下げが祟ったのか、急激な衰えを見せ、増量前には想像もできなかった連続KO負けを喫しました。
骨が弱くなったり、臓器に負担がかかったり、脳細胞が破壊されたり・・・私のところに来る患者さんでも、ダイエットとは言えない“○日間で○キロ落とす”式の「減量」に近いようなことをやって喘息発作を起こしたり、ホルモン障害を起こした方もいます。
無理なやり方、急激なやり方には必ずリスクが伴います。一人一人の体質を考えてやらないと成功しないし、全員にあてはまる共通した特効薬のような効果を得られるやり方はない、というのが現実のようです。
☆亀田はどうだ!?
前回“屈辱的な勝ち方”をした亀田選手。「減量に失敗した」と、試合後にコメントしていました。
階級を上げて(戻して)、コンディションを作りやすくするという手もありましたが、あえてファン・ランダエタ選手との再戦、ツラい減量を行うという道を選んだようです。ランダエタ選手をほんとうに与しやすいと踏んでいるのか、単なる意地か、真意は本人や陣営ではないとわかりませんが、吉と出るのか凶と出るのか?
「失敗した」という前回と落とし方を変えたという今回の減量(体重調整)、特にどういう食事を摂っていたのかが興味深いところですが・・・
計量も無事に済んだようです。あしたの試合、楽しみですね!!
この「減量」と「ダイエット」については、機会を改めてもっと詳しく触れる予定です。しばしお待ち願います。
▽バックナンバー
第3回[目のトレーニング&コンディショニング]其の三「眼精疲労の緩和(後)」
第2回[目のトレーニング&コンディショニング]其の二「眼精疲労の緩和(前)」
第1回[目のトレーニング&コンディショニング]其の一「動体視力」
■渡辺俊介(わたなべ・しゅんすけ)
1977年2月生まれ、静岡県出身。整体師、生活習慣病予防士。明治大学政治経済学部在学中より整体、気功などを学び、現在静岡県静岡市で整体院を開業している。ボクシングにはまり込み、自らも趣味としてジムで汗を流ながらプロ選手と交流を深める日々。
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この記事へのコメント
↓
http://polls.dailynews.yahoo.co.jp/quiz/quizresults.php?poll_id=269&wv=1&typeFlag=1
前回がああいう形なので、
妥当な予想ではないでしょうか(笑)
↑亀田選手の減量後の食事です。
僕が仮にトレーナーだったら、
*特別な事はしない
*消化不良を起こさせない
*落ち着いて食べさせる
という事に注意します。
普段食べているチャンコや納豆を
まず基本にします。
ウイルス感染が流行っている昨今、
生野菜は万が一を考え控え、
野菜はチャンコの中に入れたもので
オッケーとしますね。
蛋白質は、消化に悪いのでステーキでは
なく、サプリメントかなんかで摂らせます。
もし本人が食べたいと言ったら、
精神的なストレス発散のために、
過剰にならないように食べさせます。
あとは、即効性のあり、消化がよい
パスタ、うどん、もち、バナナなんか
を間食に摂らせて増量します。
興奮状態で食べると、消化力が落ちるので
カメラの前では食べさせません。
亀田選手はそれも仕事のうちだと
考えていそうですが。
もともと頑丈なタイプ、若い選手は気に
しなくても、あまり影響ないですが、
気にするタイプにはこういう形にすると
思います。
一例として参考にして下さい。
↓
スッポンの血を飲んでた人もいたみたい。
です。すんません。