渡辺俊介の《スポコン講座》 第2回[目のトレーニング&コンディショニング]其の二

第2回[目のトレーニング&コンディショニング]其の二
第1回の“動体視力の鍛え方”はいかがでしたでしょうか? 実際にやってみた方からメッセージをいただきましたが、皆さん“意外と動かない・・・”というのが最初の感想のようです。
それぞれの目的にあったペースで、続けてみてください。1~2週間もすれば変化を感じる事ができると思います。
2回目は、眼精疲労(主に視神経)の緩和方法を書いていこうと思います。
まずは一番簡単なやり方から――。
【A】蒸しタオル
これは、肩こりが目の疲れに繋がっている方に向いているやり方です。
1.電子レンジに、水で濡らして絞ったタオルを入れる。
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2.一分間、レンジで温める。
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3.少し冷まし、ビニール袋に入れて、首の付け根から凝っている部分に当てる。
※ついでに目の閉じて、アイマスクのようにタオルを当ててもよし(くれぐれもヤケド、電子レンジの事故には気をつけてください)。
首の血行がよくなりますので、肩の血流の改善、間接的に視神経の弛緩、目の血流の改善にも繋がります。蒸しタオルはどちらかと言うと、表面的な凝りの改善に向いています。
深部や慢性的なものは・・・次の尾骨を暖めるやり方を行って下さい。
【B】尾骨を暖める

こうなると、1~2日休んでも疲れは取れません。自律神経の失調症状なども出てきますので、“体が重い”“やる気が出ない”などの半病人状態になってしまいます。
深い部分の視神経の疲労を取るために、昔から、不眠やストレスの緩和方法として行われてきた、尾骨を温める方法を紹介します。
ニガリを含む天然塩を200グラムほど、土鍋等でゆっくり、まんべんなく熱する。
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1.熱くなったら、これを和紙に包み、
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2.更にその上を木綿の布で包み、
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3.尾骨(お尻の割れ目のところ=図版参照)の上にヤケドをしない程度に接触させる。
※注:しりもちをついた時に打つ、出っ張った所は仙骨と尾骨の繋ぎ目の仙尾関節です。10センチくらいの長さになると思いますので、仙尾関節を中心に当てて下さい。
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4.なかなか適当な熱さ、適当な時間、を得るのは難しいので、
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5.敷布団の上にこれを置いたり等の工夫をする(熱すぎないように調節)。
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6.そこに仰向けに寝て、尾骨を乗せ、適当な熱さを適当な時間(15~30分)尾骨に当てる。
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7.塩が次第に冷めてくるので、その時は布を外し、和紙に直接尾骨を当てるようにする。
15~30分前後、この上に寝ていると、尾骨、骨盤、背骨、首、後頭部、コメカミ、眉間と下から順番に緊張が取れ、臍周りが温かくなってきます(図版赤線部参照)。
温度の加減が慣れるまで難しいのと、手間がかかるので、必ずと言っていいほど“カイロやホットパックでもいいですか?”と言う質問が来るのですが、要は目的が達せられればなんでもいいのです。
塩のほうが自然な熱を発するので、より深い部分まで浸透します。和紙、木綿も“なるべく天然のものを使ったほうが、深い所までほぐれる”という理屈なので、臨機応変にやってみて下さい。
カイロやホットパックを尾骨に貼り付けて“眼が楽になった”“頭がスッキリした”という結果が得られればそれでよいと思います。
この方法は、温度調節が適切にできるようになれば、脳脊髄全体の血流がよくなるので腰痛から首、肩の緊張の緩和ストレス緩和、不眠改善、そして眼精疲労の改善などが期待できます。
さらに全体的な冷えがあると、ヘソの周りが冷えてくるのですがお腹もポカポカと温まってくるはずです。
目に関して言うと、マッサージや蒸しタオルでは難しい眼底の血流の流れを改善する事ができます。
ただ、塩、カイロどちらもそうですがヤケド(カイロの場合は低音ヤケド)に注意して行って下さい。
次回は、道具を使わない視神経の緩和方法などについて触れる予定です。
※骨盤図版=『構造医学の原理(基礎編)』(吉田 勧持・著/エンタプライズ)63ページより引用、筆者が本稿用に色付けしました。
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第1回[目のトレーニング&コンディショニング]其の一「動体視力」
■渡辺俊介(わたなべ・しゅんすけ)
1977年2月生まれ、静岡県出身。整体師、生活習慣病予防士。明治大学政治経済学部在学中より整体、気功などを学び、現在静岡県静岡市で整体院を開業している。ボクシングにはまり込み、自らも趣味としてジムで汗を流ながらプロ選手と交流を深める日々。
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