酔いどれ前のひとりごと vol.98 日本最高試合その1

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vol.98 日本最高試合・その1


 国内所属ボクサーが行った試合から、最高のものを選んでみることにした。たいした意味はないが、ふと、たまに浮かんでは消えていた。

 年間最高試合という賞が年1949(昭和24)年からあるから、今回はそれを利用して、ナンバーワンを決めてみた。

 選考基準は選手の生い立ちだとか因縁だとか記録だとか意義だとかは無視するようにして、その試合だけを見てどれだけ面白いかということで決めた。そんなの人それぞれじゃんって誰か言うね。そう、人それぞれ。だから僕が面白いと決めたものが面白いということで選びました。

 面白いとは――抽象的で申し訳ないんだけど、緊張感と物語性とに富んでいること。

 実は選考基準にはもう一つ、そのときの自分の暮らしに因した気持ちを極力棄てることという、隠れた基準がある。自分で自分のことがぜんぶ分かっている人はいないはずで、だから完全には時々の気持ちは棄てられないし、それが知らず知らず選択眼に影響するだろうけれど、極力棄てることに努めるということを課したつもり。

 と、うだうだ述べたけれど、実はそんなのみんな口実で、理論とか合理精神とかいうものが仮説をたてて結論を導いていく、ように見える、ああいうものの仮説に相当するのが今言った選考基準とか口実で、しかしそんなのハナからウソで、いかにも理詰めの展開にみえる話でも、実は最初から筋書きはできている。

 当人が言わないだけの、ほんとは初めに結論ありきで、その結論を言うためにああじゃこうじゃと理屈かまして、合理主義の正体はおよそこんなもんじゃないかと、そういうテクニックの一つが仮説であって、何を隠そう、今回の話もすでにナンバーワンは決まっている。すぐに明かしては話が終わるので、長引かせて意地悪で気をもたせるだけ。

 日本人はいちいち断ってからモノを言うと、どっかで見た覚えがあるがまったくその通りで、マニー・パッキャオのようにさっさとフトコロに本題に入ればいいものを、われながら言い訳がましい。ごめんよ、ベイビ。

・・・つづく

※その前に、過去を復習しとこかね。
 ↓
1949(昭和24)年 : 白井義男vs.堀口宏
1950(昭和25)年 : 後藤秀夫vs.ベビー・ゴステロ
1951(昭和26)年 : ダド・マリノvs.白井義男
1952(昭和27)年 : 辰巳八郎vs.フィル・リゾ
1953(昭和28)年 : 金子繁治vs.ラリー・バターン
1954(昭和29)年 : 金子繁治vs.フラッシュ・エロルデ
1955(昭和30)年 : 沢田二郎vs.秋山政司
1956(昭和31)年 : 金子繁治vs.中西清明
1957(昭和32)年 : 福地健治vs.ソムデス・ヨントラキット
1958(昭和33)年 : 矢尾板貞雄vs.米倉健治

1959(昭和34)年 : パスカル・ペレスvs.矢尾板貞雄
1960(昭和35)年 : デビー・ムーアvs.高山一夫
1961(昭和36)年 : デビー・ムーアvs.高山一夫
1962(昭和37)年 : ファイティング原田vs.ポーン・キングピッチ
1963(昭和38)年 : 菊地万蔵vs.小林弘
1964(昭和39)年 : ファイティング原田vs.青木勝利
1965(昭和40)年 : ファイティング原田vs.エデル・ジョフレ
1966(昭和41)年 : ファイティング原田vs.エデル・ジョフレ
1967(昭和42)年 : 小林弘vs.沼田義明
1968(昭和43)年 : 西城正三vs.フラッシュ・ベサンデ

1969(昭和44)年 : 清水精vs.中島健次郎
1970(昭和45)年 : 沼田義明vs.ラウル・ロハス
1971(昭和46)年 : ルーベン・オリバレスvs.金沢和良
1972(昭和47)年 : 大場政夫vs.オルランド・アモレス
1973(昭和48)年 : 大場政夫vs.チャチャイ・チオノイ
1974(昭和49)年 : 柴田国明vs.ラミロ・ボラニョス
1975(昭和50)年 : ガッツ石松vs.アルバロ・ロハス
1976(昭和51)年 : 具志堅用高vs.ファン・ホセ・グスマン
1977(昭和52)年 : 具志堅用高vs.ハイメ・リオス
1978(昭和53)年 : 具志堅用高vs.ハイメ・リオス

1979(昭和54)年 : 具志堅用高vs.リゴベルト・マルカノ
1980(昭和55)年 : 具志堅用高vs.マルチン・バルガス
1981(昭和56)年 : 渡嘉敷勝男vs.金煥珍
1982(昭和57)年 : 渡辺二郎vs.グスタボ・バラス
1983(昭和58)年 : 渡辺二郎vs.ルイス・イバネス
1984(昭和59)年 : 渡辺二郎vs.パヤオ・プーンタラット
1985(昭和60)年 : 渡辺二郎vs.尹石煥
1986(昭和61)年 : 浜田剛史vs.レネ・アルレドンド
1987(昭和62)年 : 高橋直人vs.今里光男
1988(昭和63)年 : 張正九vs.大橋秀行

1989(平成元)年 : 高橋ナオトvs.マーク堀越
1990(平成2)年 : 大橋秀行vs.崔漸煥
1991(平成3)年 : 辰吉丈一郎vs.グレグ・リチャードソン
1992(平成4)年 : ユーリ・アルバチャコフvs.ムアンチャイ・キティカセム
1993(平成5)年 : 勇利・アルバチャコフvs.ムアンチャイ・キティカセム
1994(平成6)年 : 薬師寺保栄vs.辰吉丈一郎
1995(平成7)年 : 竹原慎二vs.ホルヘ・カストロ
1996(平成8)年 : 勇利・アルバチャコフvs.渡久地隆人
1997(平成9)年 : 辰吉丈一郎vs.シリモンコン・ナコントンパークビュー
1998(平成10)年 : 畑山隆則vs.コウジ有沢

1999(平成11)年 : ネストール・ガルサvs.石井広三
2000(平成12)年 : 畑山隆則vs.坂本博之
2001(平成13)年 : 徳山昌守vs.曹仁柱 (※「曹」の字のタテ棒、実際は1本)
2002(平成14)年 : 佐藤修vs.ヨーダムロン・シンワンチャー
2003(平成15)年 : オスカー・ラリオスvs.仲里繁
2004(平成16)年 : 川嶋勝重vs.徳山昌守
2005(平成17)年 : 長谷川穂積vs.ウィラポン・ナコンルアンプロモーション
2006(平成18)年 : 長谷川穂積vs.ウィラポン・ナコンルアンプロモーション
2007(平成19)年 : 内藤大助vs.ポンサクレック・ウォンジョンカム
2008(平成20)年 : ???



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■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。

この記事へのコメント

麦とホップ
2008年06月11日 00:18
知らない名前がこんなにあるなんて…

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