内藤vs.亀田を見て ..... 【酔いどれ前のひとりごと vol.128】

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vol.128 内藤vs.亀田を見て .....


 テレビで見てて、1ラウンド亀田が距離を取ったので、それじゃ勝てねえだろと口に出した。

 結果、待機してのカウンターで勝ったんだけど、途中の採点公開はあったものの、亀田に勝ちはないだろうと思った。あの程度の試合で世界王者かと、亀田ファンよ怒らんでくれ、怒ってもいいけども。

画像 ともかく僕の予想はみごとに外れた。

 各種論調は、たいして見たわけじゃないんだけど、亀田称賛で、勝ったから当り前じゃんと・・・・そう、当り前なんだが、どうもすっきりしないね。

 それはお前だけだとまたお叱りをうけそうだが、申し訳ない。僕は実況や新聞記事や専門家はじめいろんな人の声よりも自分の印象を優先してしまうので、なんとも見映えのしない、つまらない、看板倒れの、取るに足りない試合だったと、感想を求められたらそう言うしかない。

 凡戦はどこにでもあるからそれはそれでいいんだが、どうもね、自分の見る目と若い世代の見る目とがどんどんひらいていっているようで、そろそろ自分も口をつぐんで遠くからときどき今のリングを見るくらいにしたほうがいいかなあと、ちょぴっとは思う。

 反面、判定だのTKOだの、だらだらした試合が目立つ昨今のリングを、たまたま青春期が当たってしまったために真剣に見なくちゃならない若い人は気の毒だと、これまた白い眼で見られそうな思いもある。


 ともかく亀田が勝った、世界王者になった。

 と、その前に思い起こされるのは内藤がポンサクレックに勝ったとき、あのときも途中の採点公開があったが、あの試合もよくてドロー、内藤に勝ちはないだろうと思った。ホームタウンでなんとか勝ちになったというのが僕の印象だった。

 内藤のようなフック主体のボクシングは、ナックルがきちんと当たっているならまだしも、どうもガチャガチャした感じに見えるばかりで、手数は少なくてもポンサクレックのほうが的確できれいだった。

 今回、内藤は衰えは衰えとして、いつもの内藤だったと僕は思う。亀田は成長は成長として、いつもの亀田ではなかったと思う。

 ほんと、亀田ファンには勝ったのにくさすようで申し訳ないんだが、今回の戦いぶりは僕には卑しく見えた。どこが卑しいんだと詰められても応えにくいが、なんだか卑しいなあと思ってしまった。

 一家を背負い、負けられない重圧がどれほどか僕にはわからないし、これまで白状してきたように僕にはボクシングを見る目がないようだし、だからそのボクシングを卑しいなんて失礼な言は慎まなければならないんだが・・・・繰り返す、ともかく亀田が勝った、世界王者になった。

 お前はしょせんアンチ亀田じゃねえかと、亀田ファンは罵るかもしれない。

 亀田一家がマスコミで話題になるなかで、ボクシングファンとしておおいに僕は期待した。ただしそのボクシングを見たらどこに強さがあるのかわからなかった。

 わからなかったけれど強敵を倒していけばわかるようになるだろうとぼんやりしているうちに、例のランダエタ戦になって、そのあとからはアンチ亀田になったのかもしれない。関心が薄れていった。

 今回の試合でも亀田への関心度は変わらない。変わらないが、くどくどまた繰り返す、ともかく亀田が勝った、世界王者になった。

 東洋太平洋を獲った試合が亀田興毅のこれまでのベストと思っているけれど、願わくは気高いボクサーになってもらいたい。

 内藤vs.亀田について、どっか思わくが違ったからといって黙るのは卑怯みたいでいやなんで、取り急ぎ思うまま書いた。


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■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。ここ数年は週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。

この記事へのコメント

鯉red
2009年12月04日 13:14
最近、ボクシング(特に世界戦)が安っぽくなりましたね・・・
私も時代の流れを感じますw 自分の思ってた事に近いことを書いてある
ブログに初めて当たったので少しほっとしました。
[井]
2009年12月05日 14:37
たしかに、安っぽくみえるのが増えましたかね…。

>>自分の思ってた事に近いことを書いてある

近いことでなく、そのまま思ってることを書いてるつもりですw 今後ともよろしくお願いします。
ボクシング好きオヤジ
2009年12月05日 22:42
まったく面白みのない試合だった。ついでに自分のボクシングを見る目の無さを知らされた試合でもあった。たしかキャッチコピーに「世紀の~」てつけていたようだが、なにをもって「世紀の~」なんだろう。チャンピオンになってからの内藤は試合ごとに内容が悪くなっていて、直近の熊との試合など判定負けでおかしくない内容だった。そんな下り坂のチャンピオンと、リスキーな相手を避けてキャリアを築いてきた疑惑の亀田の試合。これを「世紀の~」とは。それはともかく、私は内藤にKOで勝ってほしかったし、矛盾するが、亀田には、あれほど内藤をこきおろしてきたのだから真っ向から打ちあって内藤をねじ伏せ、堕落したチャンピオンに引導を渡してほしかった。ところがどうだ。亀田は完全にポイント狙いで、初回から距離をとって逃げ回り、内藤は追いかけはするもののカウンターを警戒するあまり遠くでフックを空振りするばかり。4回終了時の判定結果で、ぶさいくな内藤の攻めはリングジェネラルシップとして評価されず、挑戦者なのに手数が少なく、消極的な亀田のカウンターがポイントに反映された。鈍感な私でも、この段階で亀田の判定勝ちを予感できたし、8回終了後の判定ではそれを確信した。緊張感に欠けたこの試合を私に見続けさせたのは、一縷の期待。内藤の放つテレフォンパンチがラッキーにも亀田のグラスジョーを捉え、逆転KOなるかだけだった。結果は、亀田の大差判定勝ち。内藤はこの試合で、なぜ負けになったのだろう。これで負けなら、熊戦はもっと明白な負けになったのでは、と私には思えた。ボクシングの判定は、私にとってまったくもって不可解だ。亀田の勝利の後、マスコミやボクシングブログで亀田の評価は高まり、将来を期待する声をもある。しかし皆さん、一瞬も目を離せないような緊張感に満ちた試合、しびれるような打撃戦、身が凍るようなKOこそプロボクシングだと思いませんか。
ぽんたろう
2009年12月06日 12:38
 私の目からは、「内藤は必死でボクシングを見せようと努力し、亀田は必死で仕事をしていた」
と映りました。
 亀田を知らない人に、亀田は強いか?と聞かれれば私は強いでしょうね と答えます。
 もう一度亀田の試合を見ることを楽しみにできるか?と問われれば、私の答えはNOです。
 絶対に負けてはいけない局面で、勝ちにこだわった勝負をすることは当事者であれば当然のことですので、亀田を非難するつもりはありません。
 付け加えるなら、亀田の試合を見ながら、私の脳裏には北京オリンピックの石井慧選手が浮かびました。

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