輝くリング――2014.4.6 【酔いどれ前のひとりごと vol.144】

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vol.144 輝くリング――2014.4.6


 打つべきポイントへ思うがままにナックルパートをヒットしていく。見ていてつまらなくなるほどの、井上尚弥の圧勝だった。

 日本選手として世界最速6戦目の戴冠だが、ミスマッチと見紛うような、圧倒的な力量の差を見せての世界奪取。こういう勝利は、なんというんだろうか、記録には残りづらいが、日本選手としてここまで段違いの力量差を見せた戴冠はないと、僕は思う。

 なに言ってんだい、5回は打たれたじゃないかと、そんな声があるか、あったとしても、あそこはご愛敬だろと、僕は切って捨てちゃう。初回KO奪取とかフルマークでの勝利とか、そういうものは過去にあったけれど、この夜の井上には対峙すべき相手がいなかったと、アドリアン・エルナンデスがどうのこうのということでは全然なくて、そんなふうに僕には見えた一戦だった。


 オディロン・サレタのパンチが、打ち込むパンチから押し出すパンチに変わっていって、それと軌を一にして、八重樫東のステップが、柔らかなステップから詰め寄るステップに変わっていって…僕にはそう見えたんだけど、そういうのが面白いなあと思いながら見ていた。

 試合後の八重樫のインタビューも意気がよくて好感が持てた。

 強い選手は大きく見えるが、ふいにリングに登場した次期対戦予定の怪物と並んだとき、背恰好が同じようなので、なんだか安心した。

 次に登場するとき、ロマゴンは大きく映るだろうか。八重樫東はどんなふうに戦うんだろうか。そしてリングはやはり輝いているだろうか。


▽バックナンバー
vol.143 ミラクル
vol.142 終わりかた
vol.141 怖さと切なさと輝きと
vol.140 怪物
vol.139 負け知らず
vol.138 神の左
vol.137 「石の拳」一代記!
vol.136 目の前の人――勝間和雄
vol.135 天国のボクサー
vol.134 幸運な偶然+ボクシングへの思い=?
vol.133 大晦日の横浜文化体育館・W世界戦
vol.132 長谷川穂積の言葉
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vol.130 オールド・ファッション・ボクシング~12
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vol.128 内藤vs.亀田を見て .....
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vol.112 粟生隆寛、1ラウンドKOを命ず
vol.111 オールド・ファッション・ボクシング~3
vol.110 世界を制する左を
vol.109 オールド・ファッション・ボクシング~2
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vol.107 粟生惜敗で思い出す「女神」…つづき
vol.106 粟生で思い出した「女神の機嫌」
vol.105 粟生が逃したチャンス
vol.104 がれき
vol.103 大場政夫の強さについて
vol.102 ずるずる負け
vol.101 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 3
vol.100 日本最高試合その3
vol.99 日本最高試合その2
vol.98 日本最高試合その1
vol.97 たわごと・ざれごと・えそらごと Part 2
vol.96 たわごと・ざれごと・えそらごと
vol.95 追放
vol.94 ゴキブリ発言
vol.93 辰吉、魅惑の3番勝負
vol.92 それぞれの落日
vol.91 運の悪い男
vol.90 ロッカールーム
vol.89 重箱のスミ~2006年12月号
vol.88 重箱のスミ~2006年11月号
vol.87 アウトがセーフ
vol.86 重箱のスミ~2006年10月号
vol.85 ラウンドガールは飯島愛
vol.84 重箱のスミ~2006年9月号
vol.83 夢の始まりは…
vol.82 重箱のスミ~2006年8月号
vol.81 拳聖ふたたび
vol.80 重箱のスミ~2006年7月号
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vol.77 重箱のスミ~2006年4月号
vol.76 重箱のスミ~2006年3月号
vol.75 悪いのはだれだ? おれだ…
vol.74 オサム会長はおっきいのがお好き
vol.73 重箱のスミ~2006年2月号
vol.72以前 夜明け前,カメダ・ワールド,重箱のスミ~2006年1月号,逆転の貴公子,ほんの少しの恐怖,ジャブを出せ,ガッツ石松 vs ロベルト・デュラン~もちろん架空~エキジビション,最強という名の幻想,年間最高試合について,これぞ伝説,アリ、フレージャー、そしてフォアマン,だけどファイティング原田は好きだった,なんとなく空想対決[G.フォアマン vs B.サップ],拳聖....etc.

■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。ここ数年は週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。


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この記事へのコメント

KOKO
2014年04月10日 03:17
ロマゴンは小さいです。身長も158cmくらいしかないし、筋肉質でもない、でもフライでもパワー感はまだまだ凄い。村田もそうですが、体の使い方が巧いんでしょうね。

小さいのに距離の遠さを感じさせず、『なにげなく』スッと近づいて強打の連打。強いですね、ホント。でも付け入るスキ0でもないと思います。
井上はS・フライへいくかもしれないので、まだ対戦はないでしょう。エストラーダ他フライ強豪達もS・フライへくるかもしれないし、おそらく王者になる帝拳のクアドラスとかも相手に不足なしですね。クアドラスはエストラーダ級の選手と見てます。
じゃぶ
2014年04月10日 06:32
八重樫さん、今回は追う展開でしたが
ロマゴン戦は迎え撃つ展開になるはずです。
そうなってくるとロマゴンの対エストラーダ戦と
八重樫さんのソーサ戦が指針になると思います。
事も無げに八重樫さんがアウトボックスしちゃう
と本気で考えているのは

私だけでしょうか・・・

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