マック田口の《長谷川穂積V2密着記》・前編

 3月25日、神戸ワールド記念ホール。WBC世界バンタム級チャンピオン、長谷川穂積が前王者のウィラポン・ナコンルアンプロモーションを返り討ちにしたあの一戦に、“あしボク関西支部”マック田口も参戦。ちょっと遅くなりましたが、当日の模様をレポートします-----。

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 この日、「長谷川の6ラウンドKO勝ち」と語った千里馬啓徳会長、「長谷川のKO勝ち、または大差判定勝ち」と予想した臨時トレーナーの高嶋穣さん、そしてジム生のスタッフたち、さらに元フェザー級日本ランカーの今西哲也さん、柴野拓郎さんらと合流したのは朝の7時過ぎでした。

画像 少し冷えましたが天気はすこぶる良好。会場内には、すでに中継するテレビ局スタッフたちが準備に取りかかっていました。

 それに促されるように千里馬ジムのスタッフたちも早速、リング設営を開始。およそ2時間ほどでホールの中心に世界戦のリングが堂々と完成しました。

 ライトに浮かび上がったリングは神々しく見え、これが世界戦のリングかと思うとゾクッとしてきました。

 しばらくすると、白のジャージ姿のチャンピオン、長谷川穂積選手と山下正人トレーナーがリングチェックに姿を現しました。長谷川選手は終始穏やかな表情で入念にロープの感触などを確かめ、山下トレーナーは引き締まった表情でリングを見つめていました。

 僕は会場の椅子を並べる作業に追われていましたが、リングから降りて控え室に戻ろうとする長谷川選手がそっと僕を呼び止めて軽く会釈。

「調子どう?」との僕の問いに「バッチリです」と笑顔。いつものごとく静かなる闘志はビンビン伝わってきました。

 午後3時、開場。世界王座奪取後、初の凱旋試合ということもあって客足も早く、あっという間に席は埋まっていきました。試合が進行するにつれて会場のボルテージがジワジワと上がってくるのが手に取るように分かりました。

 5試合目の「玉越強平対丹羽賢史」戦の最中、なんとウィラポンがスチャート・マネージャーらと一緒にリングサイドに座り、試合を観戦するという行動に出て場内はざわつきました。

 余裕なのか? 開き直りなのか? 定かではありませんが、ウィラポンの表情や態度に力みは全く感じられませんでした。

 エドウィン・バレロの理屈ぬきの迫力ある豪腕パンチ、粟生隆寛選手の左ストレート一発KO、玉越強平選手の勝利のダンスパフォーマンス、武本在樹選手のカウンターテクニック。多種多様のファイトスタイルが会場を沸かせました。

 そして午後7時、テレビ中継が始まった瞬間から会場の空気がギュッと張り詰めます。

 前チャンピオンの入場後、世界チャンピオン・長谷川穂積選手の入場曲、エンヤの『ワンス・ユー・ハド・ゴールド』の幻想的なメロディが会場を支配しました。

 昨年4月16日・・・不利の予想をされながらもスピードあるアグレッシブな戦いぶりを展開、試合を支配していった東京・日本武道館の記憶がよみがえりました。

 今回はさらに心強い地元神戸。

 控え室からバックステージへ入って来た長谷川選手は黒を基調にしたガウンをまとい、テレビカメラの照明でそのガウンがキラキラと輝いていました。長谷川選手を中心に僕を含めたスタッフが円陣を組みます。

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「みんなの力を貸してくれ!」と山下トレーナーが気合。心がひとつになったのがはっきりわかりました。バックステージから出る瞬間、こんどは長谷川選手本人が振り返り「ウォ!」と吠えました。

 王者としての風格漂う長谷川選手を先頭にして福田耕平トレーナーがチャンピオンベルトを掲げ、千里馬会長、玉清美マネージャー、山下トレーナー、そしてタレントの「トミーズ雅」こと北村雅英さん(北村さんは日本ジュニア・ミドル級=スーパーウェルター級=1位の実績を持つ元ボクサー)が陣営に参加して世界戦のリングへ歩を進めます。

 リングに上がる際に山下トレーナーが長谷川選手に言葉を掛けるシーンがあります(テレビ放送では音声を拾っておらず)。

 後日、何と言ったのか山下トレーナーに聞けました。

 去年の4月16日とウィラポンは何も変わってない。変わったのはお前が強くなったことと俺らの絆が強くなった事や!

 われらがチャンピオンが、喝采とともにリングに上がりました。

つづく

[あしボク特派・マック田口]
 Makoto "Mac" Taguchi

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