マルチネスは巧かった

 セルヒオ・マルチネスは巧かった。

 フリオ・セサール・チャベスJr.は――まだ青かったか。最終回に大きな見せ場を作ったが、親父がメルドリック・テーラーを倒したときのようにはいかなかった。いかせられるくらいだったらあんなに離されもしなかった…といえなくもないが、あのまま負けず、結果的に“先代”の試合まで連想させ、ドキドキさせてくれたのは◎だ。

 あれだけリードを許していても、すべてをひっくり返せることがある痛快さ。

 一方的に試合を支配していても、最後の数分で倒されて立ち上がれなかったり、立ち上がれてもフラついたりしたらすべてをひっくり返される残酷さ。

 そんなボクシングの醍醐味を体現しかけた両者。再戦があるとしたら直接行ってみるのも面白そう、と思える一戦だった。

[井]

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