明日拳闘的意見「世界挑戦を墓場にしてはいけない!」後編

 さて前回からの続きだが、時期尚早と思われる選手がなぜ世界戦をやるのか? について考えたい。
※あくまでも理由を推測していくだけにとどめたい。実際の例とか、解決策とかそういうのは一切なし・・・っていうか今はわからん!


【1】 若くて有望な選手に世界を経験させて、今後の糧にさせる

 この場合、負けてもともと。チャンプが強ければ強いほど、有望選手が世界戦で何かをつかんで飛躍的に伸びてくれることが期待できる。あるいは実力不足を若さゆえの勢いで補おうとすることも。

 ただし、よっぽど有望視されていないと、ここまではしてくれないだろう。大橋ジムの八重樫東、横浜光の現世界ミニマム級チャンピオン新井田豊なんかはそうだったんじゃないかなあ。いや、知らんけど…。


【2】 ぶっちゃけ、なんだかんだで世界上位レベルだった

 とくに軽量級で、実は多いんじゃないの? というパターン。アジア、南米の層が厚い軽量級では、国内上位レベルと勝ったり負けたりの日本人が、世界を見渡してみると結局上位の実力じゃないか、ということ。

 日本のレベルが世界と比較しても高いレベルにある場合に起こりうる。中重量級ばかりを見ているファンからすると、相当に違和感のある世界戦になるのではないか。


【3】 調整試合の相手として呼ばれる

 これが一番多いのかも。指名試合を終えたチャンプ陣営が次の相手に選ぶようなケース。選ばれた陣営からすれば、やるでしょう。経費もかからないし、勝ったらラッキー♪


【4】穴王者に挑戦

 これも多そうだ。チャンプが弱そうだったら、チャンスを与えてやりたいと思うのは親心。世界をとったら、指名試合までは勝てそうな下位ランカーをうまいこと探して防衛させればいいし♪


画像 気分がのってきたのでドンドンいこう。


【5】 (暫定)王座決定戦にねじ込む

 ボクシング界の裏技かも。しかし、WBA、WBCの総会に発言力のある人間にならできること。あくまで憶測にすぎないが…。勝ったら返上して階級を上げればいい(笑)


【6】 実力は足りないが、今がピーク

 実力的には世界に手が届かないところだが、その選手にとってピークにきてしまっている。東洋・国内ではある程度上位レベルであることがほとんどだろう。世界戦偏重の今の流れだと、世界戦が一つの区切りとなる。


【7】 落としどころがない

 これは【6】より苦しい。ピークはやや過ぎた感があるが、すでに東洋・日本をとってしまっているだけに、最後に用意する舞台がない。このまま引退ではあまりに気の毒なので、なんとか挑戦させてやる。

 ・・・・世界戦偏重主義の弊害である。


【8】 国内、東洋の挑戦権すら回ってこない

 小さいジムや地方ジムゆえに、日本タイトルや東洋タイトルの挑戦すらできない状況。迂回して世界ランカーにぶつけ勝利をおさめ、そのまま世界をとってしまおうという算段。世界挑戦への格、実力ともにもっとも疑問符がつくケースでもある。


 と、こんなところだろうか。もちろん、まだあるかも知れない。いったん整理してしまうと、世界挑戦における陣営の戦略と事情が見えてくるようだ。

 理由が、この8つのうち複数にまたがってくることもむろんありそうだ。

 個人的に【1】【4】までは「アリ」かなと思えてくるが、【5】【8】に関しては、無理矢理感が否めない。

「世界チャンピオンになる」ことより「世界挑戦する」ことが目的になってはいないかい?

 とにかく、世界戦至高というか、世界戦偏重の流れ。なにがなんでも世界じゃなきゃいけない、という考えがそこにある。まあ、わからんでもない。

 野球だって国内の人気が落ちてきたら「メジャーだ、メジャーだ」って騒いでる。

 でも、周りが「う~ん、どうなのよ!?」と首をかしげてしまう選手を世界戦の舞台に上げてしまっても仕方ないんじゃないか。好き嫌いで意見が分かれてしまう選手なら、少なくとも強力な実績やインパクトは残させないと。

 たしかに日本タイトルマッチよりは世界タイトルマッチの方が、より多くの人に夢を与えられる。しかし、そこで夢を与える選手というのは、夢を与えるに「足る」選手だということを間違えてはいけない。

 日本チャンピオンだって4回戦ボクサーだって、少ないかも知れないが誰かに夢を与えることはできるんだからね。

 マネーの問題もあるかも知れない。しかし、世界戦だからって客が入るかというとそうじゃない。また、「世界チャンピオン」という肩書きがあるとないでは、その後の人生に与える影響も違うだろう。だから現状は仕方ないとも思う。

 しかし、世界チャンピオンじゃなくても立派に第2の人生を送る人たちだっているんだからね。

 要は次の人生のリングでどう戦うか、だよね。

 世界チャンピオンと戦って、燃え尽きて満足して引退です、でいいのかな。

 目的のための世界挑戦ならば、防衛記録を狙うとか、階級が違う日本チャンピオン同士の対決を実現させるとか、複数階級制覇を狙ってくれた方が、ファンはありがたい。自分のボクシング人生をそうして全うしたっていいはずだ。

 世界挑戦をボクサーたちの墓場にしてはいけない。

《完》


※写真はイメージです。

[霜]

この記事へのコメント

遠大
2008年06月05日 02:15
問題だらけの世界タイトルマッチ。
兼吉
2008年06月08日 09:39
それは、しかたない!
うつ
2008年06月11日 00:45
墓場になっちゃってますな。

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