デュランvs.レナードと、六月の雨 【酔いどれ前のひとりごと vol.122】

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vol.122 デュランvs.レナードと、六月の雨


 梅雨時なんだから六月は雨が降るのは当り前じゃん。降らない日だってある。降ったり降らなかったり、それでいいじゃん。それをなんだってもったいぶっているんだよって、言われちまうよなあ。そうかもしんないし、そんなつもりじゃないんだけどなあって思いもあるんだけど、でも、まあいいか。

 あいかわらずの古い、ばかばかしい話。

 1980年6月20日にWBC世界ウェルター級タイトルマッチがあって、ロベルト・デュランがシュガー・レイ・レナードに勝って…まあ有名な試合だよね。

 で、その試合についてあらためて講釈しようってことじゃなくて、その試合がさ、その日、雨が降れば見られたのに、降らなかったせいで見られなくなっちまったってこと、ただそれだけのこと。

 そのただそれだけのことを今でもたまにこの時期思い起こすっていう、ただそれだけのことなんだけど…。

 試合の結果は何日か前に知っていて、さすがデュラン凄いなあなんてたぶん思っていて、そしたら或る日、たしか読売新聞のテレビ番組欄に、ゴールデンタイムの野球中継で、対戦カードは覚えていないけど巨人戦があって・・・雨天中止の場合、その試合を放映するって記されてあった。

 やったぁ、レナード対デュランが見られるぞ、大勢が見るぞ! って、小躍りした。ドーム球場なんてまだなかったからね。雨が降れば野球はできません。

 その日がいつだったのかはもう覚えていない。1980年の6月の終りから7月の頭にかけての或る日、だったと思う。局ははっきり覚えている。日テレだった。

 朝から空模様が気になって気になって仕方がなかった。曇り空だったんじゃないかなあ。

 雨よ降れ降れ雨よ降れって、ひとり念じていた。

 あんなに天気が気がかりだった一日はなかった。結局、雨なんか降りやしない。ぽつぽつ来そうな気配もあったようだったけど、神様なんかいやしなかった。

 それでも、もしやと思って、晩の7時、4チャンネルに合わせてみた。いつもの音楽といつもの絵柄で、プロ野球中継が始まりました。

 けど、突然の豪雨ってことも、ほとんどないんだけどあるかもしんないぞ、なーんて、自分をなぐさめて、30分くらいチャンネルを変えなかった。

 当時のうらみを思いだして、聞きなれたアナウンサーの声はやけに晴れやかだった、と、今、書いておく。

 考えてみれば、テレビ局だってわざわざテレビ番組欄に野球中止のときはボクシングを流すことをうたってあったんだから、それなりの用意はしていたんだと思う。

 それなりの用意っていうのは、ゴールデンタイムなんだから、まさか外国の放送を垂れ流すわけにはいかないでしょ。野球中止のときはこれこれの放送に切り替えるからと、ボクシング中継のための局アナと解説者くらいは用意していたんじゃないだろか。

 思いだしてみてください。その解説の依頼なんかがありませんでしたかって、こんど然るべき方にお目にかかったら訊いてみようかと、この雨に思ったりしているんだけど、だったらどうなんだよ、だからなんなんだよって、そう、なんでもないことなんです。

 この「雨があのとき降ってくれれば…」なんて、いや、ほんと、愚にもつかない、つまんない話、ごめん。

 もしかしたら前にも、おんなじような話、してるかもしんない。だったら、かさねて、ごめん。


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■酔田振男(よった・ふりお)
1953年生れ、東京都出身。街頭テレビで藤猛vsニコリノ・ローチェを見てボクシングに惹かれ、観戦通いを始める。今はもっぱらテレビ観戦。ここ数年は週2回のキャバクラ通いに余念がなかったが、年のせいか近頃控えめ。(有)トランス企画社長。独身。

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